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 神奈川大学工学部 :石井 信明 

 授業のスマート化とFD活動

 いまさらですが、遠隔授業が始まった当初、講義科目は無論のこと、実験実習、演習、卒業研究など、これまで学生との対面を前提に進めてきた科目がどこまで遠隔で出来るのか、非常に不安でした。大学が用意した遠隔授業ガイド、同僚あるいはネットの情報などを集めながら急場しのぎで準備を進め、試行錯誤でこなしてきました。実験実習系の科目では、演習環境を整えたPCを郵送で貸し出すなどもしました。
 しかし振り返ってみると、実験実習系の科目でも、達成度は従来と大きく変わった様には思えません。むしろ、遠隔授業で従来よりも理解が進んだとさえ思えます。課題提出により出席と見なされるために、必ず課題を行う姿勢が学生に求められた結果とも言えますが、それだけではないようです。たとえば、担当している「プログラミング演習」で実施している学生アンケートでは、およそ9割の学生が演習に意欲的・積極的に取り組んだと回答しています。また意外にも8割の学生は、演習形式についてオンデマンド型の演習を支持していました。自由記述の回答見ると、「オンデマンド式でいつでも資料を見返したりすることができ、自分のペースで理解しながら進められました。」など、学生はオンデマンド型の良い面を理解し、環境に適応して演習を進めた様です。ただ、「課題に対してのフィードバックやコメントをもっと丁寧に行って欲しかったです。」など、対面でないとしづらい点も指摘する学生もいました。そこで今年のプログラミング演習では、オンデマンド型と対面を数週間ごとに入れ替えてみました。その結果、質問回数は昨年度よりも増加しました。
 ところで、対面の際に学生の様子を見ていると、PC教室での演習でありながら多くの学生が個人PCを持参し、個人PCでプログラミングをしていました。これは、一昨年度まではなかったことです。これまでは、学生の個人PCに演習環境を作ることにかなりの支援が必要でした。この1年間で、学生自身のICT環境の整備とスキルが大きく向上したようです。多くの学生は、環境の変化に順応したと言えるでしょう。
 学生と教員は、共に遠隔授業の良い面を経験し、その可能性を知りました。もう後には戻れないでしょう。すでに一部では始まっていますが、大学はICTを駆使した授業のスマート化に取り組むことになるでしょう。もちろん、人間中心のスマート化を目指すべきです。その実現には、教員をはじめ大学組織の環境変化への順応が求められそうです。FD活動にはそれをリードする役割があり、ますます重要になると考えます。

   
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