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 会津大学 :上級准教授 網谷 祐一

 コロナ禍を奇貨とした授業評価アンケートの電子化

学生による授業評価アンケートは授業改善のための標準的なツールである。しかし会津大学でのアンケートには処理の遅れという課題があった。これは主にアンケート用紙に書かれた自由記述欄の内容を電子化するのに時間を要していたためである。すると前期授業の結果が出るのが翌年の二月から三月となり、これでは授業改善に使いにくかった。そのためアンケートの電子化が検討されていたが、他大学での実績などから回答率の大幅な減少が予想され、移行には二の足を踏んでいた。

 そこで生じたのが昨年のコロナ禍である。当然このアンケートも強制的に遠隔に移行した。学生が大学のポータルサイトにログインし、そこでアンケートに答える形式である。その結果、フィードバックのスピードは劇的に速くなった。締切後数日で自由記述を含めたすべてのデータが見られるのは感動的ですらある。反面、回答率は大幅に低下した。具体的には以前の約70%から40%台半ばになった。

 しかし授業評価アンケートは授業関係の教員表彰の基礎データなので、回答率が低いとその信頼性に傷がつく。そこで本年度は回答率向上の策を練った。基本戦略はこうだ。このアンケートでは「大学→教員→学生→サイト」と指示と情報が流れていく。するとそれぞれの継ぎ目で取りこぼしを減らせば、回答率は向上するのではないか。具体的には、(1)授業時間内にアンケートを行うと回答率が高まることが分かったので、そうしてもらうよう教員に依頼する(2)上の依頼はメールだけでは授業内でのアンケート実施を教員が忘れることがあったので、依頼文書を紙で配布して教員に協力を求める(3)授業終了数日前に学生にリマインダーのメールを送る、といった試みを行った。

 そうした施策をした結果、21年度第一クオータの回収率は60%台半ばに向上した。もちろん上の施策の長期的効果はまだ不透明だが、この情報が電子化によるアンケート回答率の低下に悩む先生方のお役に立てば幸いである。

   
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