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 仙台大学 : 田口 直樹

 授業のICT化について再考する

コロナ禍の影響により、大学教育におけるオンライン授業が一気に普及しました。オンライン授業は教員も学生も時間や場所の制約を受けず双方向でのやり取りができることにより利便性は非常に高まったと言えます。また大学生1人1台の情報端末の配布により、授業はもちろんのこと日常の場面でもITデバイススキルが必須の状況となってきました。
 大学(体育学部)においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)をしていく必要性に迫られています。授業においても最先端テクノロジーを活用したより高度なパフォーマンスへの挑戦やスポーツの日常化の促進と定着、多様性を学ぶことができる場といったさまざまな場面が想定されます。その中で単にICT化といって授業でツールなどの使い方に注目するだけではDXとは言えません。例えば、オンライン授業であれば、対面とは違ったコミュニケーション能力が必要になります。グループでのディスカッションでは話す間や会話の進め方、意見のまとめ方などを時間内に迅速に行う意思決定スキルが必要です。オンライン授業はその場にいない人に対する状況適応能力を養う上で有効であり演習の授業では積極的に取り入れています。また対面授業ではリアルとサイバーとのハイブリッドによる授業展開も可能になりました。デジタルによる資料配布はもちろんのこと質問に対する回答をリアルタイムで集計したデータを提示しながら授業を展開するなど大人数の講義においても参加型の授業を展開していくことが容易になりました。このようにデジタルとアナログの良いところを取捨選択して指導のバリエーションを増やしていくことが求められると思います。
 しかし、ICTを活用していく中でも忘れてはいけないのが人間固有しかできない能力をいかに授業で養っていくかということです。人間として維持すべき「知・徳・体」、また多様な意見やアイディアを理解し整理できる問題解決能力、対人関係によるコミュニケーション、状況適応能力などに着目していく必要があります。その中で実践的に得られた成果も含め個別最適化ができることが教育のDXに繋がっていくのではないかと思います。

   
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