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 富士大学 : 熊谷 哲孝

 コロナ禍2年目の授業運営 −オンラインツールの利用から活用へ−

今般のコロナウイルス感染拡大では、それまでの日常が大きく変わり、様々な面で制約を甘受しなければならない状況となりました。本学でも昨年4月より、コロナウイルスの感染状況を見ながら、断続的にオンライン授業と対面授業を行ってきました。オンライン授業では、「課題配付型」・「オンデマンド型」等の授業形態の選択、オンラインツールの使い方、学生に対する配信方法等、各教員が試行錯誤を繰り返しながら、授業運営を進めてきました。
 この中で、オンライン授業で用いた、マイクロソフト社のTeams(チームズ)というオンラインツールについて、対面授業の際にも活用できる可能性があるのではないか、とのことで、いくつかの授業で試みがなされました。例えば、私が担当するTOEIC英語の授業では、受講生に演習問題を取り組ませ、各自の解答をスマートフォン経由でその場で回収し、結果を円グラフにしてスクリーンに投影して解答解説を行いました。それまでは受講生を指名し、口頭で解答してもらうというやり方でしたが、これはどうしても「教員vs指名された受講生」という構図になり、その他の受講生の授業への参加意識の低下が見られました。今回この方法を取り入れたことにより、授業中の学生の反応が少し違ってきたことを感じました。実際、Teamsを用いた解答回収を取り入れたことを受講生に聞いてみたところ、「自分の解答と他の人の解答を視覚的に確認することができ、授業へ参加しているという意識が高まった。」、「自分が間違えてしまった解答が基本的な文法事項・語彙だった場合、自分以外の多くの人たちが正解だと焦るし、もっと頑張って勉強しなければという気持ちになった。」等の感想がありました。また、この方法は受講生全員の解答状況を収集できることから、誤答分析が容易にでき、その後の指導に活用できることが分かりました。
 今般のコロナ禍では、オンライン授業を成立させるため、教員も学生もオンラインツールの使い方などの初期的な段階から試行錯誤をしてきましたが、その運用がある程度軌道に乗り、次はこのツールを対面授業でも活用するという動きが出てきている一例を挙げました。この2年ほどは授業の形態について、教員、学生の双方が不便を強いられる状況となっていますが、「転んでもただでは起きぬ」との諺にあるように、この間に試みたことを、コロナ禍が落ち着いて正常な状況になった後、さらに活用できるよう研究を進めたいと考えています。

   
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