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 羽陽学園短期大学 : 太田 裕子

 人との関わりの中で育つ学生、そして教員

幼児教育科の単科短期大学であり、幼児教育や介護福祉に携わる人材養成を担う教育機関である本学の教員においても、新型コロナウイルスの影響により従来の授業形態の変更が余儀なくされてきました。ICTを活用した遠隔授業実施など、新たなスキル取得の可能性が高まった一方で、本学ならではの取り組みとして、以下の2点が挙げられるのではないかと思います。
 1点目は、感染防止対策に細心の注意を払いながら、これまで令和2年度開講直後の2か月間以外は対面授業を継続してきたことです。幼児教育や介護福祉においては、人に直接関わることで対象児・者の気持ちや実情を把握、理解し、望ましい支援を実施することが何より大切です。その専門性を育成する教育において、学生自身が他者との関わりの中で得られる喜び、安心感、他者への信頼感、共感性は、机上の知識に勝るとも劣らないと確信しているからこそ、対面授業の実施に注力してきました。
 2点目は、教員による授業改善の検討も対面で継続してきたことです。新型コロナウイルス感染拡大前から実施してきたFD活動として、令和2年度は遠隔授業の改善をテーマに検討を重ねました。そして、今年度は、感染防止を念頭に置きながら実施された授業の改善をテーマに授業検討を実施しました。
 対象科目は図画工作、テーマはマーブリング。学生が向かい合わず一方向を向いて着座して演習する、教員の実演を小グループに分けた学生に対して提示する、等の配慮が施された授業を参観した後、教員自身も対面で検討会を実施しました。学生たちが他の学生や教員と会話しながら一緒に体験することで創作の楽しさを実感できていた、他の学生の作品に触れることで各々の表現の幅が広がったり個性が浮き彫りになったりしていた、といった声が多く、学生と学生、教員と学生が直接関わりながら学ぶからこそ得られるものの価値を、以前にも増して強く感じることができました。授業のねらいの意義、実践と知識教示の割合、保育教材への活用法など様々な観点についても意見が交わされ、教員自身も他者との関わりの中で視野の広がりや思考の深まりを得られることを、一層体感できた貴重な機会となりました。
 新型コロナウイルス感染については予断を許さない状況が続いていますが、制限のある中でも実践できること、すべきことを極力継続しながら、これからも「人の中で人は育つ」ことを学生と共に教員も体現していきたいと思います。

   
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