新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が2019年12月から猛威を振るっている中、3年が経過し、授業においても様々な工夫がなされ、質保証が各教員によってなされている。授業形態に関しても対面型のみならず、ライブ配信やオンデマンド配信など遠隔による授業が展開される中、遠隔授業コンテンツの作成における教員の負荷は大幅に増加しているものと見受けられた。
　その中でICTを活用した教員負荷の軽減事例をここに紹介する。コロナ禍により増加した教員負荷は様々あると考えられるが、教員として負荷が大きいと感じていることは遠隔授業のコンテンツ作成など授業に関することでなく、各々のICTスキルによりコンテンツの展開方法や作成方法がバラバラであり、操作に慣れることに最も負荷に感じている教員が多いのは意外であった。また、調査を進めていく中で、負荷を感じているのは教員だけでなく受講する学生もそれぞれ科目で指定されたツールやソフトウェアを用いて受講する必要があり、授業理解への大幅な足かせになっていることも重要なポイントであった。
　そこで本校では、Microsoft Teams(以下Teams)を利用した全学生・全教員の授業展開・連絡系統を一本化したシステムを展開した。Teamsでは全体のチームを１つ作成し、チャネルによってクラスごとに管理することができる。そのチャネルに授業担当者を登録し、クラスへの授業連絡や授業動画・資料の展開・質疑応答への対応を実施することを可能とした。プラットフォームを統一化したことによって、１つのマニュアルで全員が対応可能となり、使い方が分からない場合でも教員間や学生間で知っている人が対応できるようになり全体の負荷を大幅に軽減させることに成功した。
　また、更に本校ではTeamsにさらに課外活動や事務からの連絡事項・事務への申請書類等なども集約し展開することを進めており、授業負荷のみならず全体の負荷軽減に役立てている。
　今後の課題として、システムを一本化したことによりそのシステムが使用不能状態に陥った際のバックアップシステムを検討し、不測の事態への対応を進める。