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週刊・授業改善エッセイ
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 青森県立保健大学 理学療法学科 : 諸橋 勇

アクティブ・ラーニングで想うこと

「学び直し」、「再チャレンジ」など、一旦社会人になってからの新たな行動を期待する声が聞かれます。日本では久しく最終学歴という言葉が使われてきましたが、それ自体は過去の努力の産物であり、必ずしも現状を示していません。京都芸術大学の本間正人先生は、最終学歴ではなく最新学習歴という言葉を提唱しています。つまり、現在何に関心があり、何を学んでいるか、またそれ以上に最新学習歴をどのように更新しているかが重要だとしています。
 社会人の学びに関して例を挙げると、大学の社会人入学の在籍学生に対する比率が日本では3%程度なのに対して、アメリカは25%を超えているというデータもあります。また、アジアを見ても東アジア諸国の学力の向上が著しく、本を読まなくなった若者が多い日本は国際的にも危機感を持たなくてはいけません。   
 さて、自ら学ぶ心はいつ創発されるのでしょうか。好奇心、考える、質問するなどの能力は、想像以上に小さな時に身についているのかもしれません。ある方が、その人の強みは小さなころに時間を惜しんで、ご飯を食べることも忘れるくらい夢中になったものにヒントがあると言っていました。つまり、自ら学ぶ力は誰に教えられるものでなく、元々我々が持っているものかもしれません。
 昨今、教育現場の中でも文部科学省が新学習指導要領で、学習者の能動的な参加を取り入れたアクティブ・ラーニングを推奨しています。エドガー・デール氏が提唱している「経験の円柱」でも、平均学修定着率は講義5%、グループ討議50%、自ら体験する75%、他人に教える90%と圧倒的に受け身の学習以上に能動的な学習が効果的とされています。
 学生から社会人になって大きく違う事に、「答えがないことの体験」、「努力しても点数化されない」などの点があります。これからは先が見えず、益々答えなど存在しない時代に突入しています。そんな中でブレない自分軸を作っていくことは大切で、その土台作りの一つが自ら学んでいくアクティブ・ラーニングの姿勢だと思います。この姿勢は元々備わっている能力なので、後は自らが喚起するだけです。その喚起するきっかけになる、支援ができる講義体制を模索することが教員として必要であり、今模索しているところです。
            

   
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