Japanese/Englishリンクお問い合わせ

特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

週刊・授業改善エッセイ
つばさとは?
つばさ連携校
事業内容
FDカレンダー
週刊・授業改善エッセイ
 
 

東北生活文化大学 : 立花 布美子

コロナ禍で始まった実技科目授業を振り返る

現在コロナ感染対策により、各専門分野に伴った形式でオンライン授業やオンデマンド授業、対面授業が展開している。実技科目を主としてカリキュラム編成がされている本学部では、制作環境や大型機材、様々な材料などが各科目で必要とされるため、対面授業が必須とされる。当初コロナ感染が拡大していく中でこのままでは対面授業が実施不可能ではないのだろうかと、毎日不安を抱えていたことを思い出す。
 私は本大学で美術学部美術表現学科に所属しており、工芸分野である陶芸科目を指導している。誰もが想像つくと思うが、陶芸といえば成形後に施釉し、窯詰め・焼成を行うという一連の作業工程がある。最終的には焼成が成されないと焼き物として完成とは言えないだろう。この作業工程をコロナ禍自宅待機の学生達にどのように授業を展開していけばいいのか模索する時間もないまま、当初Google利用の基盤が整わず授業形態は各教員の裁量に任せられた。授業ごとで異なる形式は、学生達にかなりの負担となる結果になってしまった。   
 担当する全授業の前半では授業概要、テーマ・モチーフ設定、デザイン案の考察までをオンラインで行い、受講学生一人ひとりに粘土と使用道具を分け与える教材配布型で実施した。オンライン形式での利点としてテーマ・モチーフ設定、デザイン案を学生間で共有することができ、各学生の改善点も可視化され、制作前の導入部分に関しての新たな展開を見出せた結果となった。その後学内への立入も許可され、感染症対策を講じながら授業後半である最後の作業工程の焼成までこぎ着けることができた。
 全授業を終えることはできたが、ユニークな発想からイメージを「形」で表現するという点では消極的な印象だった。自宅学習のモチベーションを考えるとやはり学びの環境づくりの大切さを感じる。また授業改善アンケートからの全体的なまとめとして、コロナ以前より土に向き合う時間、土に触れ感じる喜びがより感じ取れ、知識、技術の向上だけではない重要な部分として改めて考えさせられるきっかけとなった。土を通して人と向き合う心を自身の授業で展開していくことを念頭に置き、様々な授業形態に対応すべく日々学生と共に取り組んで参りたい。
              

   
  Copyright 2009 Yamagata University higher education research project center , All Rights Reserved.
 
このホームページに関するご意見・お問い合せは、山形大学教育開発連携支援センターまで。
山形大学 教育開発連携支援センター
〒990-8560 山形市小白川町一丁目4-12
TEL:023-628-4720 FAX:023-628-4836
yu-syugaku@jm.kj.yamagata-u.ac.jp