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週刊・授業改善エッセイ
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週刊・授業改善エッセイ
 
 

 文教大学 : 首藤 洋志

 学生の将来に思いを馳せて 

私が大学の授業で大切に考えていることは、概ね次の3つである。
 第1に、「授業のはじめに、いきなり教科書等の本題から入らないこと」である。いわゆるアイスブレイクを意識し、学問に向き合うモチベーションを高められるような「ひとこと雑談」を取り入れている。授業に関連する雑談であることが望ましいとは思いつつ、意外にもまったく関係のない私個人の経験談や最近考えていること、といった単なる雑談の方がウケがよい(ように感じている)。もちろん、その雑談には「努力の大切さ」や「挑戦の価値」などのメッセージを込めてはいるが、堅苦しい話はしない。ただ、前(上)を向いてもらいたいのである。  
 第2に、「インプットとアウトプットをどちらも大切にすること」である。学生には、インプット(予習)を行ったうえで授業に参加し、授業中はアウトプットに注力して欲しいと考えている。そのため、教科書を読めばわかりそうな内容は適宜省略し、理解が困難と思われる項目や、教科書に書いていない大切なこと、私自身の経験談などを中心に講義する(私は公認会計士[実務家]でもある)。そのうえで、学生同士のディスカッションとその発表、教員とのQ&Aなどのアウトプット時間をできるだけ確保する。1人では得られない経験や価値を、大学の授業で感じて欲しいのである。
 第3に、「学生同士、あるいは教員とのコミュニケーション」である。1人で黙々と勉強し、地道な努力を継続することはもちろん大切であろう。しかし、大学で学ぶことの意味を考えたときに、私はどうしても仲間や教員とのコミュニケーションからこそ得られる新たな気づきや思考の深化を重視したい。コミュニケーションには、教員の講義や教科書の内容を補い、高めてくれる確かな価値がある。大学の授業では、講義内容に加えて、学生によるディスカッションやプレゼンテーションの質を高めるための工夫を施すことが、教員に求められるのではないだろうか。
 果たして何が正解なのか、結論は出ない。ただ、これからも学生の将来に思いを馳せながら、少しでも学生にとって有意義な授業を展開したい。
            

   
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