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 会津大学短期大学部 田中 政巳
   
 


 会津大学短期大学部に昨年4月から勤務しております。着任後すぐにFD小委員会の委員長を仰せつかりましたが、「FDって何だ」とFDは初めて聞いた言葉でした。ほどなく「ファカルティー・ディベロプメント」の頭文字と知りましたが、横文字や略号を使わずに、「授業改善のための取り組み」の方が分かりやすいのにとも思いました。本学ではすでにFDとして、学生による授業評価、授業見学、専門家による講演会などを実施してきておりました。昨年度はICT、これも横文字、略号ですが、FDにおけるICTの活用について委員会で話し合い、双方向型授業用ツール・クリッカーの導入を検討しました。デモ機を借り受けて複数の教員に授業で使用してもらい、それを他の教員が見学して、実施者、見学者、受講学生から意見を集め、 その結果導入することになりました。導入理由のひとつに、「授業で発言や質問するのが恥ずかしいのか、授業に消極的な学生にとってクリッカーの導入は有効だろう」がありましたが、これに対しては「学生の積極性を引き出すのに機械にたよる必要はない」との異論もありました。しかし「学生の積極性を引き出すのは簡単なことではなく、導入によって、今役立つ学生がいる」との意見で導入の方向になりました。学生が積極的に質問してくれれば、多くのことは解決してしまうようにも思われますが、授業評価の項目には大概、「質問しやすい雰囲気でしたか」というものがあります。しかし教員はそこまで学生に配慮する必要があるのかなと思わないでもありません。
 FD委員長を仰せつかったときに思い出したことがありました。まだ20代の頃、勤務した大学の上司(教授)から繰り返し何度も聞かされたことです。それは「教授錯覚」ということでした。教員はともすれば教えたつもりになってしまう。学生は教員が思うほどには聞いてもいないし、理解もしていない。しかし教員はそれがわからない。教えたつもり、すなわち教授錯覚に陥りやすい。教えたつもりになるな。教授錯覚に陥るな。これらを繰り返し話されました。
 「FD」という言葉を知ってまだ1年半ですが、20代に聞いた「教授錯覚」を思い出しつつ、今後の私のFDを進めていきたいと考えています。

   
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