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 鶴岡工業高等専門学校 飯島 政雄
  
「ディベート」を教えることはできるか? 
 

 授業でディベートなるものを教えられるのか、ディベートは教科になるのかちょっと考えてみた。  先日、某有名電気メーカー元CEOの方から「時代を読む」と題して専攻科クラスの学生に講演してもらった。情報通信分野の第一線で働いてきた演者の経験談を交え、社会に出ていく学生へのメッセージを聴くことができた。そこで演者が強調したのはディベートの重要性である。「相手会社との交渉はディベートだ。是非、学生時代からディベート力をつけて欲しい」と言う。
"ディベートって何?"  日本語では討論や討議と訳されることもあるが、ディスカッデョンとは本来違うものだ。単なる意見交換ではない。あるテーマについて異なる意見を戦わせ、相手や第三者を説得させるものらしい。アメリカ大統領選の候補者討論会がその例である。ハーバード大学の著名な教授によるディベートの様子がテレビでも放映されている。教育ディベートという競技すらあるらしい。
"日本人には不向き!"  このディベート、企業に入れば損得の勘定で必ず出くわすことになる。普段の社会生活でも交渉しなければならない場面はあるだろう。日本人はもともとディベートが不得意な国民性である。欧米とは文化が違うから仕様が無い。そんなディベート力をどうやったら身につけられるのか。 "経験と学問で身につく?"  文化によるものなら幼少期からのディベートする環境やその経験が大事なはず。しかし、協調性を好む日本人にそんな状況はほとんどない。大学や高専でいきなりディベートはやっぱり無理なのか。小学校からやっていないと身につかないのかも。でも、学問としての「論理学」や「修辞学」がある。これを学べば少しはディベートに強くなれるはず。
 今の過密カリキュラムでディベート講座はとても無理である。授業の中にディベートを取り入れるのも難しい。第一、自分自身がお手本を見せられないのだ。さて、どうしたらよいか。当たり前だが、まずは「自分の考えを人前できちんと言えること」だろう。とにかく、授業でも研究室のゼミでも学生にしゃべらせることから始めよう。これも教育改善のひとつと考える。

   
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