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 仙台青葉学院短期大学 工藤 三四郎


大学の先生方は、学内での研究活動を経て自分の専門分野について教えるという先生が多いと思います。私の場合、長年民間企業の勤務経験を経て大学教員となり、現在ビジネス系の授業を担当しています。このようなキャリアを持つ教員は今ではあまり珍しくはないと思います。それでもまだ大学教員の中では少数ではないかと思われます。経験が浅いこともあり、90分間学生をどう自分に集中させるか悪戦苦闘の毎日です。

本学は短期大学であり、研究者の養成というより、社会で即戦力となる人材育成に主眼を置き、カリキュラムも実学に重きを置いた構成になっています。このような背景から、授業は実務的な視点から「使い減りのしない」汎用的な知識をどう伝えていくかを常に考えながら行っています。

例えば、学生に理論的な枠組みを教える際、できるだけ学生たちも知っている会社を取り上げ、例えば現在国内企業で成長しているソフトバンク、日本電産、ユニクロ、楽天、アイリスオーヤマ、これらの企業において組織、意思決定、ガバナンス、戦略といった要素で考え、それぞれに共通する点は何かを学生に問いかけながら、これらの共通要素を一般化・抽象化(帰納的)すると、組織論のこの部分に該当すると教えるようにしています。このような説明によって理論的な枠組みをまる暗記することを避け、どのような文脈でそれらの理論的な体系が生まれたかの過程を辿ることができます。この思考過程は実務において「使い減りのしない」大切な学びになると考えています。

また、教科書には様々な理論が紹介されているが、現場で起こる課題解決にこれらの理論をそのままあてはめて正解を得ることは稀なケースであると教えます。これは、教科書で学んだ知識をそのまま演繹的に問題解決をはかろうとし思考停止させて失敗するケースが多いからです。実務においては課題を取り巻く複雑な環境や文脈を把握した上で個別的な解決策を考え抜くことによってはじめて解決の糸口が開けてくると力説します。

私が数年間の経験から感じたことは、教える教員も毎年変わる学生のレベル、資質に合わせて教え方を工夫し変化させていかなければならないということです。その点は企業経営も同じといえるでしょう。



 

 

   
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