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 桜の聖母短期大学 狩野 奈緒子


桜の聖母短期大学「親と子の広場」での育ち合い

夏休みも真っただ中、子どもたちの明るい笑顔と歓声が、短大所有の民家「ひなぎく」に響き渡っています。東日本大震災後、遊び場に窮した福島市中心部の親子たちのため、短大運営の子育て支援広場である「親と子の広場」は2か月後の5月から再開しました。「さくらっこ」たちと保護者の皆さんと共に、スタッフや教員、そしてこども保育コースの学生たちが、毎週土曜日になると集まってくるのです。信頼される保育者との関係の中で、子どもたち同士、そして保護者同士が、自分の子どもも他人の子どもも入り乱れて、0歳から小学生までが楽しい遊びの中で、育ち合っていきます。

そこに、本学こども保育コースの学生たちが1年次の前期「保育基礎演習」で、子ども理解の観点をまずはVTRで様子を観ながら、そして次はグループ毎に実際に参加観察しながら体験的に学びます。参加観察の後は、スタッフの保育者と教員を中心に、学生が参加したカンファレンスを行います。子どもたちがその子らしさを発揮できる環境と、遊びの中でのかかわり方、何よりもその子のその日の遊びや行動の意味について、保育者や教員だけでなく、学生の視点も交えて、皆で考え合っていきます。また、参加観察後は保育実習記録の形式に則って、エピソード記録を書き出し、授業に持ち帰って、エピソードについてのカンファレンスをグループで行いました。繰り返すこと8回、私たち教員も、1年生の学生が素直に感じる視点について、発見したり、驚いたりしながら、毎回のカンファレンスが楽しみになりました。

一方2年生は、後期科目「保育相談実践演習」において、こちらも順繰りに参加観察とカンファレンスを繰り返します。教育実習や保育実習では学びきれない保護者支援の実際や、保護者への共感的なかかわりについて、カンファレンスの中で保育者や教員から、親子のかかわりの意味について説明し、話し合いをしています。

2年間通して、この「さくらっこ」と保護者の皆さんに支えられながら、学生たちは保育者の姿を直接感じ、考え、語り合う場を多く持つことができます。先生でも親でもない、もちろん子どもでもない学生が、「親と子の広場」に参加することは、親子と学生の双方向的な育ち合いにつながっていると、私たちは感じています。

今日も元気な「さくらっこ」たちと保護者の皆さんに、教員の私たちも元気と癒しをいただいています。私の1週間は、広場で始まり広場で終わるのです。



 

 

   
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