「東北」の「美術大学」のFD
本学でのFD委員会発足当初より委員として参加し、現在は副委員長をつとめております。以前の勤務校、東京大学では「コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」という、コンテンツ産業のプロデュ―サーを育成する実験的な組織に携わっており、そこではプログラムに参加する学生たちの動向や成長をはかりながら、毎年あるいは学期ごとにカリキュラムを改善しておりました。また、主として初年次教育を担当する現在の業務に就く前は、本学において3〜4年次の学生を中心とした専門課程を担当し、学生の卒業制作〜就職に向けた指導もしておりました。このような経験を生かし、「いまの」学生たちの学修生活も考慮しながら、授業やカリキュラムの改善を進めていきたいと考えております。
近年では大学入試の多様化にともない、入学する学生もより個性的になっている関係上、授業改善やアクティブラーニングの推進は大学存続にかかわる重要な案件になっております。なかでも、学力が不十分な状態のままで入学をしてしまい、大学の授業についていけないと悩む学生が増加しております。このような状況に鑑み、2012年度からは国語力が不足している学生を対象に、新聞を使って基礎教養を高めていく演習「基礎国語」を設計し、担当しております。おかげさまで国語力検定テストの得点や獲得級が大幅にアップし、現在は私以外に2名の講師に授業をお願いし、担当教員同志でディスカッションの場を設けて、学生にとってよりよい授業へ発展させる努力も続けております。
数年前よりFDネットワーク"つばさ"にも参加させていただいております。参加校それぞれの立場によってFDに関する悩みも多種多様ですが、他校の先生とFDに関する率直で真摯な意見を交換できる数少ない機会を与えていただき、感謝しております。今後も皆様のご意見を摂取しながら「東北の美術大学に適うFDの推進」という命題に取り組んでまいります。