平成24年3月に公立学校教員(小・中学校)を定年退職し、同4月より国際武道大学で非常勤講師として教員養成の仕事をお手伝いすることになりました。そして本年4月からは特任准教授として勤務させて頂いております。授業は、「教職入門」、「安全教育」、「安全指導論特講」を担当しています。
義務教育の現場では、教師と子どものキャッチボール(コミュニケーション)を心がけ、子どもの"自発性・自主性を育てる"授業、"子ども主体"の授業づくりに取り組んできました。最低年1回は指導案を書き、授業を見てもらい、指導を受ける機会がありました。大学は義務教育とは大きく異なり、1クラスが大人数であり、しかも90分という長い授業時間に戸惑っているところです。実技を伴わない授業(講義式)において、私の力量では学生を引き付けることは難しいと感じています。特に100人を超える授業では、難しさを痛感しています。FD合宿セミナーで取り組んだ「理想の授業」作りでは、どの班も「演習」を伴うものでした。「講義(式)・90分・大人数」の授業で学生を引き付けることは皆さんも難しいと考えているのだと感じました。
私は、大学の先生はある専門分野の勉強を深くされてこられた方ですから、それをその先生のスタイルで学生に伝えればよいと考えています。(「教諭」とは異なる。)しかし、「教える」という仕事ですので、「如何に教えるか」「如何にしたらより伝わるか」を考えることは必要だと思っています。今回、「必修ではなく、選択だったら貴方の授業を選んでもらえるか」「この計画(シラバス)で、学生が学んでみようと思うか」という問いは衝撃でした。今私は、「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」(井上ひさし)を指針に授業を考えるようにしています。今回のセミナーで、200人を越える学生への授業をされている先生のお話を伺い、まだまだ改善の余地があることを知らされました。FD合宿セミナーで学んだことをこれからの授業作りに生かしていきたいと思っています。