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東京家政大学 平山 祐一郎


6年目を迎えて

学内のFD関係の仕事に関与して6年目になりました。「何をすればFDなのか」が分からず、振り返れば戸惑いの多い日々でした。しかし、本学でFDを立ち上げた大先輩からの「FDに定番はない」という助言を、「励まし」と「言い訳」にしてきたというのが率直なところです。そして、今頃になって、やっとFD活動の苦しさや楽しさがわかってきたような気がします。

全国の大学で展開されているFD活動は、多岐にわたり複雑化する一方に見えます。各大学が取り組むFD活動とそれに関する業務は増えこそすれ、減りはしないでしょう。個人的には、東京家政大学のFD活動は「むやみに拡大しないこと」「優先順位をつけること」が肝要であると考えています。また、FDに関する教職員の意見共有も不可欠だと切実に思います。教育改善への思い(総論)は同じでも、各々の考え方(各論)に思いが及ばないと、行違いや意欲の低下の原因になります。もちろん意見共有が最大の目的ではないところが難しいところです。

以上のことに関して、シェリル・サンドバーグ(著)「LEAN IN」(日本経済新聞出版社)からは、多くの示唆が得られます。一部を挙げてみます。

FD活動やその業務の増大に対しては、「完璧をめざすより、まず終わらせろ」(p.182)という対応が有効なようです。なぜなら、「『終わらせる』のだって簡単ではないが、『完璧』よりは達成可能」(同頁)だからです。

「意見共有」についてはこうです。「私の見方(私の真実)があれば、相手の見方(相手の真実)がある。これを理解することこそが円滑なコミュニケーションの第一歩だ」(p.112)というのです。独善は無自覚なものなので、これは「言うは易く行うは難し」です。でも、その努力を怠ると、「自分だけが真実を話していると思い込んでいる人は、他人に黙れと言っている」(同頁)状態に陥ります。「FDに定番はない」と甘えながら、他者に「黙れ」は通りません。

私はFDに明確な方向性を持って臨んでいませんが、他者との意見の「ずれ」を大きく感じることもあります。こうした「ずれ」を活動の「ブレーキ」ではなく、「エネルギー」に変えるスキルを身に付けたいと願う今日この頃です。


 

 

   
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