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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

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東京女学館大学 符儒徳


東京女学館大学では、平成20年のFD義務化に伴い、大学の教育を改善する目的でFD委員会を設置した以来、いくつかの取組みを組織的に進めてきました。以下ではこれらを総合的にレビューし、今後の授業改善にご参考になればと思います。

まず、各授業科目の目標設定が「10の底力」というプログラムによって選択形式で行われているのが最大の特徴です。そして、各科目のシラバスが授業案内以外にWeb上でも公開されています。各科目の授業運営方法については、これまで計3回実施してきた「教員による相互授業見学」の集計結果によれば、「少人数教育、双方向型の授業を実施している授業が多く、プレゼンテーションやディスカッションの実施、各種IT機器を使用する、受講生に問い掛けたり間をとったりするのが上手」など多彩多様な教育方法が展開されているのが大きな特徴です。

また、各科目の授業評価の一環として、「学生による授業評価アンケート」調査を実施し、データ集計の結果を図表化して担当教員にフィードバックします。それに対して、担当教員は改善方法などのコメントを付けた上、公開ファイルとして教員間でシェアすることとなります。一方、各科目の「10の底力」という目標の達成度に関しては、学生自身による自己採点と教員による採点の両方を取ります。その集計結果(レーダーチャート)を使って、アドバイザーの教員が該当学生の学習状況を確認しながら、履修に関するアドバイスをします。それと同時に、学生はそのレーダーチャートにコメントを付けてキャリア開発室にフィードバックします。このように、授業評価と改善策、達成度と目標修正をリンクし、プログラム化されています。

さらに、教員相互授業見学の実施により、授業の運営方法が洗練され、授業担当教員に関する評価というか担当教員自身の問題解決ができるようになったといえます。

ところが、学生の質が多様化しているなかで、多くの教員がその対応に苦慮しているのが実情でしょう。特に、今の大学生は仲間意識が前より強まっているように見受けます。本来なら仲間意識が強いのは悪くありませんが、しかし授業参加と仲間意識とを連結してしまうと、決して良いことばかりではありません。授業参加により新しい情報や知識を取得することで大抵多数の人が喜ぶのですが、しかし必要以上に仲間意識が強いと、仲間同士での評判がよくない場合は、授業への参加が消極的になりがちで、授業参加の意味も分からなくなります。結局、授業不参加に至ってしまうケースがあります。

そのため、問題学生の早期発見ができる仕組み作りを考える必要性が自然的に高まってきます。そこで、東京女学館大学では、「学生指導記録カード」データベースの構築・運用の実施に踏み切り、関連情報を教員間で共有することにしました。また、教職員対象のFD研修会を開き、「大学生の精神疾患と適切な対応の在り方」といったテーマで専門家による実践的なレクチャーを実施し、各症状や対処方法に関する基本的知識や知見の共有を促しました。よって、具体的な対応策や適切なアドバイスを講じることが期待されます。

以上のような工夫があるからこそ、授業改善が実質化していると思います。

 


 

 


 

   
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