FD委員になり、FDについての考え方が大きく変わりました。それまでは、自分の授業をどう良くしようか、のみを考えていましたが、今は、大学全体の授業改善について関心をもつようになりました。ただ、本学の委員は2年交代であるため、来年度以降は自分のことのみの視点に戻ってしまいそうですが。
他の大学ではすでに常識かも知れませんが、今年度は専任教員の授業を期間限定で原則公開として、他の教員の授業を積極的に見学することを奨励しました。ある学部での教授会では、公開には反対はしないが、他の教員の授業を観る必要はないという意見がでたようです。これは、自分の授業は完璧なので他の教員や授業から得ることはない、ということなのでしょうか?FDの推進には様々な困難が存在しますが、この意見こそがFDを実施していく上での最大の障壁を象徴しているように思えます。学生のカリキュラムは基礎的な内容から応用へと組まれているのですから、自分の担当科目の前に実施している基礎的な授業を見学することでシラバスだけでは分からない具体的な教授法を知ることができますし、受講学生の理解度を知ることで自分の授業内容の難易度を考える上でとても参考になるはずです。またパワーポイントや板書の仕方、学生との関わり方など、良い点も悪い点もいろいろと見えてくると思います。また学期末に実施する学生による授業評価に対して、参考にならないと考えている教員もいるようです。我々教員が授業を実施する対象である学生は、いろいろな教員のいろいろな授業の受講を通して、良い授業に対する目が肥えているのです。そしてその人達による授業評価なのですから、その結果を真摯に受け止め、授業改善に活かしていく価値は十分にあると思われます。
授業内容自体の改善よりも、教員の意識の改革が必要であると感じた1年でした。