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 仙台大学 粟木 一博
 

コーチングマインドを育てる

「コーチ」とはもともと、ハンガリーにある町の名前「Kocs」に由来するとされている。この語源をたどれば、この地で初めて造られた四輪馬車を町の名にちなんで「kocsi」と呼ぶようになりそれが英国で「coach」に転じたとされている。現在我々が一般的に使用している「コーチ」という言葉はスポーツをはじめとする「指導者」を意味しているが、これは「学ぶ者を運ぶ」という比喩による。つまり、この言葉にはその担うべき役割が表されていることになる。

コーチを名乗る以上は、学習者のニーズに耳を傾け、目標を設定し、そこへ至る道筋を示し、理解を得るというコミュニケーション活動が必須ということになる。シラバスを提示し、学習目標に関する説明を行い、相互作用的な学びの場を作り上げるという点では、私たちが現在行っている教育、あるいはその目指すべき姿をうまく表す言葉と言っていいのではないだろうか。

そこで、私たち教育に携わるものたちが「コーチングマインド」を身につけることやその言葉の背景にあるものを理解するということももちろん大切なのだが、それ以上にこの稿で述べたいのは学ぶ者の心の中にこのマインドを育てることができないかということである。

コーチングマインドを育てるということは、自分自身にその目指す場所を問いかけるための自己との対話能力、目的地へたどり着く方法を模索するための問題点を抽出する能力とその解決策を探る能力、さらにそれらの行程を管理する能力を育むということだと考えられる。これらはどれも昨今の学びの場で懸案となっている「自ら学ぶ態度・意欲を育てる」ことにつながるのではないだろうか。

 学生のこころにコーチングマインドを育てるためには、まず、教員側がそのモデルを示す必要があるだろう。もちろん、あらゆる分野の教育において身に着けさせるべきエッセンスが存在することは確かである。ただ、それをどのように身に着けさせるかという姿勢の問題が「コーチング」なのではないかと考える。

 

   
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