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あっとおどろく大学事務NG集
 
 

 石巻専修大学 丸岡 泰
 

順位が喚起する議論

「うちの大学は平均が3.0から3.5、他の大学とあまり違わないのかなあ。わかりやすくするために参加大学間で順位をつけてみよう。」

昨年度1年生を対象とした「学習成果等アンケート集計結果」を前に、私は考えました。 この調査、質問は興味深いものばかりです。「本学の授業」について、「ためになる授業が多い」など、「下記の知識や能力を身につけることができましたか」では、「専門知識や技能」など、「本学の改善に向けて今後取り組むべき事項」では、「教員の授業力を向上」など。

平均点をもとに順位をつけると、本学は「授業」と「専門知識や技能」について下位、「取り組むべき事項」では中位に属します。とてもわかりやすくなりました。

学長をはじめとする上層部の会議で報告すると、学長は「本学教員は授業が下手だと言われているみたいだ」と憮然。他の先生からは「順位を付けるという方法は適切かどうか」というご指摘をいただきました。

順位という方法が物議をかもしたことは間違いないようです。

さらに学長「本学の学科間の差を分析し、文書で提出するように」。

私は学科ごとに順位をつけて、学長より先に、FD委員会に提出しました。「A学科は上位。B・C学科は下位です」。

色々な議論が出ました。

「Aが良いのは学生の性質による」「Bは新設学科で学生が少ないのに順位をつけるのはおかしい」「何年も継続していない1回の調査では意味ない」「1年生には専門的授業は少ないから学科の性格を反映した結果ではない」「就職に役立つ授業を取り入れるべきか1年生に回答させるのはおかしい」・・・。

議論を喚起したという意味でこの順位付けは意義があったと思います。反論にはどれも一理ありますが、順位を完全否定することの出来るものではないと思います。勉強であれスポーツであれ、授業評価であれ、順位は人の競争心を強く刺激するようです。

学長に分析結果を報告すると、「さらに要点をまとめたものを作るように」。

今後さらに学内で結果が広まり、議論が喚起されると思います。

FD委員会は悪役になったように感じますが、順位の導入により活発な議論が起きたことを思うと、この方法は正解だったと思います。今後さらに、順位向上のための健全な競争が起きることを期待しています。

 

 

 

   
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