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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

週刊・授業改善エッセイ
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 山形大学  千代 勝実
 



現在、山形大学基盤教育実施部の責任者を拝命していますが、教員個人レベルのFDつまり授業の改善にあたっては2つの方向性があると考えています。一つは教育を工夫して教育内容を向上していくFD、もう一つは教育にかかる時間を減らしていくFDです。前者は効果向上のFD、後者は効率向上のFDと呼びましょう。

山形大学をはじめ、ほとんどの大学で実施しているFDは効果向上のFDです。つまりよい実践を紹介し、それを自分なりに修得し授業に生かしていくというやり方です。それとは異なり、私は効率向上のFDというものを実践しています。言い方は悪いですが、同じ教育効果をより楽をして得る、もしくは同じ教育効果をより大きなクラスで得る、というやり方です。10%の教育効果向上を同じ準備時間で期待するのも、同じ教育効果を10%減の準備時間で期待するのも、数字の上では同じFDの効果です。

しかし、教員集団で考えた場合は大きく異なります。わざわざ工夫をして教育効果を向上しようという教員はこのエッセイを読んでいるあなたぐらいで、多くの教員はそこまで教育改善に意欲はもてません。逆に授業準備が楽になるなら、多くの教員は目を輝かせてその話を聞いてくれますし実践しようとします。  

先ほどと同じ算数をやってみましょう。10%の教育効果向上を全学の10%のエース級の教員がやってくれれば、全学では1%の教育効果向上です。逆に1%の教育効率改善を100%の教員がやれば全学で1%の効率改善につながります。余った時間は教育にでも研究でも思索でも使ってもらいましょう。

FDという観点からは、教育効果改善も教育効率改善も両輪のようなものでどちらも重要です。しかし、教育効果改善のためのFDは「できる教員」のためのFD、教育効率改善のためのFDは「できない・やらない教員」のためのFDといえます。「できない・やらない教員」のためのFDにも光を当ててみてはいかがでしょうか。

   
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