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 帝京平成大学 山本 通子

医療系学部・学科における医師教員の担当授業


帝京平成大学は5学部で構成されるが、そのうち4学部が医療系である。学生は薬剤師、看護師、理学療法士や作業療法士、管理栄養士、救急救命士など、医療職の国家資格取得を目標に勉学に励んでいる。学生は具体的な将来目標を持ち、授業の大半は必修科目なので、授業出席率は一般に良好である。しかし、大部分の学科で入学早々から解剖学・生理学などの基礎医学系科目の授業が始まり、「授業が難しい」と感じる学生が増えて来る。次いで内科や外科、整形外科など、医師教員担当の臨床医学系科目が加わると、「授業消化不良」に陥る学生がさらに増える。

授業改善を目的に年2回全学的に実施している学生による授業アンケートの結果をみても、医師教員担当の医学系科目では「内容が難しい」や「授業のペースが速すぎる」という意見が他分野の科目に比し多い傾向がみられる。これに対処しようにも、教員の裁量範囲は限られる。医療系学科の科目と内容は文科省だけでなく厚労省の規定にも沿う必要があり、4年間の学修内容や割当時間の大枠と国家試験の出題領域が決まっている。教科書に即した授業を原則とする限り、「内容を易しく」や「授業のペースを遅く」する変更は行いにくい。難しい内容を平易に説明する努力は可能でも、難しそうな項目を勝手に省略することはできない。授業をゆっくり行うと、シラバス記載範囲を完了できずに終わる。私もこのジレンマに悩まされている1人である。

医師教員の多くは医学部での教員経験がある。しかし自分の専門領域を時間をかけて教える医学部と、専門外の領域や科目を短時間で教授する場合もある医療系学部の授業では勝手が違う。このような教員側の状況や各学科の要望に対応するために、本学では全医師教員(約30人)が所属する「医学教育センター」という学科横断的な組織を設けている。科目担当者の調整や情報交換、人的交流などが現時点の役割であるが、将来的にはFD活動の一翼を担える組織を目指している。 









   
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