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 山形大学 橋爪 孝夫

  「ところで学生は本当に育っているだろうか?」について



平成27年度の大学教育学会大会が6月6日、7日の二日間、長崎大学において開催されました。今大会の統一テーマは「ところで学生は本当に育っているだろうか?」というもので、FDや授業改善の様々な試みが日本中の大学で成されるようになった時代には、関係者のつぎ込んだ努力や時間が実際にどのくらい「学生の成長」という成果につながっているのかどうかを検証することも重要な課題です。

今回、私が参加したラウンドテーブル「教養教育の本流」では戦後の新制大学教育の起点と考えられる「自立した市民を形成するための教養教育」の現代的な在り方について活発な議論が交わされました。現代では教養教育の中に「社会人基礎力」や「学士力」という考え方の下に様々なジェネリック・スキルやアカデミック・スキルの育成に関わる技能訓練のような内容も大いに含まれてきていますが、こうして学会のような場で大上段に構えて「教養教育」を考えると、そこにはやはり「人間はいかに生きるか」というような大きな軸が無ければ、技術はあっても型無しの落とし穴があるのではないか、ということには重要な示唆を得る事が出来ました。

自由研究発表においては「教育改善」をテーマとしたプログラムに参加してきました。どの発表も教育内容・方法に多彩な工夫を凝らしつつ、教員の自己満足に終わらないよう、教育成果の把握、学生の成長の可視化を重視しており大変参考となるものでしたが、前日のラウンドテーブルとも重ね合わせると、学生の学びと成長を測るに「使いやすい」物差しに頼りすぎると教員の意図した知識や技術を「身につけさせた」かどうかのチェックだけが重視されてしまう落とし穴もあるようです。  

知識や技術の獲得も立派な成長ですが、その学びの過程で身につけた力を学生達が後の人生に生かして行けるかどうかに「本当に育っている」の鍵があるかと考えます。主体的な学びの重要性を改めて感じた二日間でした。







   
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