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東北生活文化大学 : 川又 勝子


東北生活文化大学は、東北地区の四年制大学では唯一、服飾系の専攻を持つ大学です。1903 年に東北女子職業学校が開学されて以来培われてきた、被服学・服飾に関する研究・教育実績を誇りに、家政学をベースとした服飾という観点から、東北ならではの服飾文化や服飾産業全体に理解を深めるべく学生と共に邁進しているところです。

さて、このような本学服飾文化専攻で行われている演習をご紹介いたします。それは、今年8年目を迎える「家政特別講義V―ブランドマネジメント演習―」です。

まず、この演習に履修登録をした学生は全員、本学創設者の三島駒治先生・よし先生の名にちなんだ模擬アパレル企業「mishima & Co.」の一員となります。さらに、社長・デザイナー・パターンナー・バイヤー・製造・生産管理・プレス……など各部門の代表者に就きますが、代表者だけが各々の仕事に責任を持つのではありません。代表者は、各部門が主導する会議の司会や意見の集約などを主な役目とします。そして、決定事項に基づき「全員で取り組む」ことを原則として、ブランドが立ち上げられ年度末のコレクション展示会に向けての活動が進められます。
  ですが、全てが学生の思うままというわけではありません。教員側から一つだけ制約が課されます。それは「東北で作られた素材・技術を使ってファッションアイテムを作る」ということです。東北の地で服飾を学ぶ学生が、東北の優れた技術や素敵な素材を生かしてファッションアイテムを企画・設計・製造することがこの演習の課題の一つなのです。そのため、扱い慣れた素材とは違った、素材特性による制約があり苦労することもあります。しかし、連携先の企業さんや地域の皆さんからの激励をいただきながら、通常ではなかなか触れることのできない素材に学生ならではのセンスが加えられて、新たな価値が生みだされるのです。教員は相談役として、意見が求められたときにはほどよく応え、課題解決のための方向性を示すだけにとどめるよう努力しますが、「さじ加減」の難しさを常々感じています。

昨年度は、これまで別々に協力いただいた鶴岡織物協同組合さんと大江町青苧復活夢見隊さんと本学とが連携してファッションブランド「彩葉(いろは)」のコレクションを開催することができました。企業と地域と大学の三者が連携しての取り組みは現在も続いており、2月中旬に新しいコレクション展示会を開催することが決定しています。

また、本年度は共通書式の授業改善アンケートが本演習でも実施され、学生からの評価を受けることになっています。学生がどのような気持ちで演習に取り組んだのか、「もっとこうだったら……」という忌憚ない意見も含めて、年度末に手元に届くアンケート結果を拝見することを今から楽しみにしているのです。教員側の悩み・迷いをほぐし、「よいさじ加減」のためのヒントが得られることを信じています。



   
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