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文教大学 :遠山 道子


教員の熱意とは

学生によるアンケート形式の授業評価は,授業の質を高める取り組みの一環として広く実施されている。しかしその鍵となる評価項目(もしくは質問項目)については,特に明確な選定基準がなく,関係者が独自に検討し設定している。文教大学でも毎学期末に授業改善のためのアンケートを実施しており,教育研究推進委員会ではもちろん,先日湘南キャンパスで開催されたFD・SD懇談会においても,この評価項目の内容が議題の1つとなった。

私自身は,これまでに文教大学以外の幾つかの大学でも学生による授業評価アンケート実施に協力してきたが,どの大学の評価項目にも含まれている「教員の熱意」なるものに漠然とした疑問を抱いていた時期があった。学生は,教員の何を見て,聞いて,あるいは感じ取って「熱意」を評価しているのだろう,しかも5段階などの場合は誰とどのように比べているのだろうか・・と。何故こうも気になっていたかと言うと,自分のこの項目の点数が他の項目と比べて低かったためである。自分では授業内容に熱意をもっているつもりだったので,どうも釈然としなかった。

こうした疑問は,本学に就任して暫くの間すっかり忘れていた。きっと本学の授業評価では「教員の熱意」が選択式で段階評価ではないため,数値化されず,意識する機会が減ったからであろう。ところが最近また,この項目が気になるようになってきたのだ。今度は学生に「この授業の良かった点」として「教員の熱意」を選択してもらえるケースが増えてきたからだ。

そこで私は教育・研究活動における自分の心情・行動・認識について内省した。何か変化があっただろうかと。思い当ることは幾つかあったが,とりわけ要因として重要かもしれないと考えたのは,傾聴だ。本学に就任して以来,オフィスアワーや休み時間に研究室を訪れる学生の話に出来る限り耳を傾けている。授業では学生同士がペアやグループで話し合い聞き合った後,クラス全体に意見を述べてもらい,教員は口を挟まずよく聞き発言できた事を褒めるという流れを心がけている。フィードバックはその後にする。学生が発言しやすい環境を確保したいと考えているだけで,特に拠り所となる方針や哲学があった訳ではないが。

こうした心掛けが「教員の熱意」として評価されているのか定かではない。ただ,学生は教員の話し方や話の内容よりも,むしろ自分の話を熱心に聞いてもらえることで教員の熱意を感じるのかもしれないと思うのであった。




   
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