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神奈川大学 : 山本 博史

授業内容のすり合わせとFD活動


私は経済学部に所属しており、アジア経済論を教えています。専門はと聞かれると、タイの地域研究ですと答えています。海外の大学(タイ)で修士をとったこともあり、日本で博士課程に入ったのが、34歳でした。したがって、教員としてのキャリアは遅く地方国立大学の茨城大学でアジア経済論の教員として採用していただいたのが40歳の時でした。国立大学に12年間勤めて、縁あって出身大学の神奈川大学に移って8年目です。

2つの大学で教えてきましが、授業の内容について教員間のすり合わせということを前の大学では教員のFD活動を活性化する目的で行いました。教育単位が学科の下にあるコースでしたので、私の所属していた国際社会コースの教員全員で昼休みに食事をしながら次年度の互いのシラバスをみて、内容を吟味し、追加する内容や既に必要ないと合意が得られた内容の削除を行いました。また教員相互で、授業を見学するという活動も行いました。有意義なFD活動であったと思っています。

このようなFD活動の必要性があると皆さんと考えた理由は、教える内容が明確な理系の講義とはずいぶんと違うという社会科学の講義の現実があります。私の教えているアジア経済論も同様で、100人教員がいれば100通りの授業があります。内容も全然違います。私の前任者はインドの研究者でしたので、後期のアジア経済論はインドに関する内容ばかりでした。私の場合は、タイに関する内容をたくさん教えているかといえば、そうではなく、ASEAN、NIES、そして中国に関する講義が中心となっています。専門のタイで講義をするのは楽なのですが、学部の授業ということであれば、やはり日本経済と各地域の関係を考えて、広い範囲の講義を心がけています。また、最近インド経済が大きく発展し始めており、今後日本との経済関係も進展が見込まれます。そのため授業にインドを含めて教えるように講義内容も時代とともに変化に対応し講義にしようと努力しています。  

ただ、授業内容のすり合わせのようなFD活動を行うには、教員相互間の信頼がなければなかなか前に進まないという現実があります。学部自治が強い大学においては、教員は一国一城の主であるので、授業内容への干渉ができない場合も多いと思います。したがって互いにより良い授業を行いたいという共通の意志がないとむつかしい現実があります。FDを実体化させるには、やはり各教員が良い授業を行いたいという明確な気持ちを持つことが必要です。しかし、言うは易く行うはむつかしいと、FD関係のセンター所長業務で日々痛感しています。



   
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