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帝京平成大学 : 市川 毅


帝京平成大学では、FD委員会の活動方針のひとつとして、「ICTを活用した授業の推進」を掲げている。ひとくちにICT活用といっても、実現方法は様々だが、本学でICTといえば、すでに教育環境のインフラ的存在となりつつあるmanaba の活用がまずイメージされる。これは、「全学向け教育支援システム」と称されるように、授業中のみならず、授業の前後も含め、総合的に学生の学修を支援するクラウド型のサービスである。同システムを本格導入して既に5年になるが、大学全体としても、年々、利用する教員が増えている。さらに、本年度からは、eポートフォリオの一部としての活用が始まると同時に、「学生による授業評価」をこのシステム上で実施することが決定し、まもなくWeb上でのアンケートが開始される。

manabaでは、授業単位で教材を配付したり、小テストをおこなったり、レポートを学生同士で相互閲覧したり、教員が学生のレポートを添削指導したりすることができる。もちろん、学修成果物を学生のポートフォリオに蓄積することもできるし、学生諸君が愛用するスマートフォンにも対応している。

電子レポートの提出は、Web上に提示された課題への解答を直接テキストボックスに書き込んだり、ローカルマシン上で作成した答案をアップロードしたりしておこなう。もちろん、教員は提出課題に対してコメントすることができ、そのとき任意のファイルを添付することもできる。これに対して、学生が質問したり、修正した課題を提出したりすることもできる。ひとたびレポートを提出すると、それが一種の掲示板(スレッド)になると思えばよい。

私は、情報基礎教育系の必修科目「コンピュータ演習T」において、かれこれ5年ほどmanabaを利用している。その際、学生ひとりひとりに専用の課題提出用スレッド(ダミーレポートにより前述のスレッドを作成)を用意し、そこにすべての課題(例年50題程度)を提出してもらい、内容を確認したうえでコメントしている。これはまさに、いま流行りのLINE(1対1)である。通常、15回の授業の間に、1スレッドあたり100件前後のコメント数となるが、今学期は、現時点ですでに130件を超えるスレッドもある。

学生には、授業時間内に終了しなかった課題等を自宅でやってもらうようにしているが、私も彼らの提出物を必ず確認してコメントすると約束している。この作業は、通常は次回の授業の前日におこなうのだが、あるとき、全学生の課題確認を終え、明日は1時限目からこのクラスの学生の授業もあるし、そろそろ床に就こうかと思ったら、パソコンの画面上に「○○さんから新しい課題が提出されました」というお知らせが出ている。どうやら、私のコメントを読んで、すぐさま課題を再提出した熱心な学生がいたようだ。これは放置するわけにはいかない。再度、ログイン。課題内容を確認して、「実習○○、OKです。夜遅くまで頑張ったね! 明日の1時限目、遅れないようにね。」と打ち込んで、ようやくパソコンをシャットダウン。すぐさま私もシャットダウン!

いつでもどこでも学べるICT環境。これは実にすばらしいことなのだが、教員もこれに対応するために、ICT能力に磨きをかけると同時に、基礎体力も向上させる必要がありそうだ。

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注 株式会社朝日ネットが提供するクラウド型教育支援サービス。


   
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