Japanese/Englishリンクお問い合わせ

特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

週刊・授業改善エッセイ
つばさとは?
つばさ連携校
事業内容
FDカレンダー
週刊・授業改善エッセイ
あっとおどろく大学事務NG集
 
 

相模女子大学 : 芝田 征司
「多様化」する学生


大学で教える立場になってもう15 年以上になりますが、その間、授業方法、成績評価の方法についてはいまだに試行錯誤しています。その原因には、自分の授業スキルや授業に対する考え方が次第に変化してきていることや、教える内容(心理学、統計、プログラミングなど)や授業形態(講義、演習)、受講人数(4、5 人〜300 人規模)が異なるために必然的に色々調整するしかないということのほか、履修学生も年々変化してきているということがあります。

履修学生の変化という点では、18 歳人口の減少や大学入学の地元志向、入試形態の多様化などによって、以前であれば(いい意味でも悪い意味でも)本学には来ていなかっただろうというような学生が増えていることがあります。授業にとてもついてこられないような学生から非常に理解度の高い学生まで、以前にも増して多様な学生が1つのクラスに混在しており、授業後に回収するコメントペーパーでは、鋭い質問やコメントの数がこれまでより増えたように感じられる反面で、頓珍漢な質問や何が言いたいのかさっぱりわからないようなコメントも残念ながら増えています。

これまで通りの授業では、今後ついてこられない学生の数が増えていく可能性もあります。かと言って、授業の内容を減らしたり水準を下げたりすると、今度は理解の良い学生たちが退屈して不満を感じるようになります。また、授業についてこられないような学生も、決して意欲が低いというわけではなく、本人たちなりに頑張って取り組んでいたりしますので、できるだけそうした学生たちをサポートしつつ、かつ理解の早い学生たちに満足感を与えるようにしなくてはなりません。

これが履修者一桁から十数人の演習クラスなどであれば、それぞれのレベルに合わせて異なる課題を与えたりすることである程度は対応できるでしょう。実際、プログラミングの演習では、最低限クリアしなければならない必須の課題とより上級の課題とを複数用意し、学生自身に課題の難易度や進行ペースを選択させることで、こうした「多様性」にそれなりに上手く対応できています。ところが、これが100〜200 人規模の講義となるとそう簡単ではありません。課題を与えるからには結果のフィードバックを行わないことには意味がありません_から、この規模の学生に対して複数種類の課題を与えながら授業を進めるためには、相当に効率的な仕組みが必要になります。

おそらくこれは、ICT 利活用の可能性が大いにある領域でしょう。ただ、すでにE-Learning を取り入れたりはしていますが、システム上の制限や教員・学生のIT スキルの問題などから、なかなか思うような成果は得られていません。ICTやAI といったテクノロジーのさらなる発展に期待を寄せながら、日々地道に試行錯誤を繰り返しています。


   
  Copyright 2009 Yamagata University higher education research project center , All Rights Reserved.
 
このホームページに関するご意見・お問い合せは、山形大学高等教育研究企画センターまで。
山形大学 高等教育研究企画センター 〒990-8560 山形市小白川町一丁目4-12
TEL:023-628-4707 FAX:023-628-4720 k3cen@jm.kj.yamagata-u.ac.jp