Japanese/Englishリンクお問い合わせ

特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

週刊・授業改善エッセイ
つばさとは?
つばさ連携校
事業内容
FDカレンダー
週刊・授業改善エッセイ
あっとおどろく大学事務NG集
 
 

東北生活文化大学短期大学部 : 益田 裕司


「授業改善アンケートで得た学生の声」

私は本学(短期大学部)で生活文化学科の食物栄養学専攻に所属している。この専攻は平成25年度に開設され今年で6年目を迎える。私が担当している分野は「給食管理学」および実習が中心である。本専攻では栄養士免許取得のため2年間で資格取得に必要な知識と技術を修得させるため各分野の教員が日々奮闘している。 その中でも私の担当している科目は栄養士の業務内容に直接関わってくる専門分野であることから、授業内容について「いかに学生に伝えるか」を試行錯誤している。しかしながら数年前、最良の方法と思って実施していた授業の進め方も授業改善アンケートの結果を見ると自分の思いと学生の考え方に決定的な違いがあることに気が付いた。短大1年次前期に実施している「給食管理実習T」という科目の授業改善アンケートに書かれた自由記載の記述に「もっと調理する回数を増やしてほしい」という意見があった。しかし、この授業は集団給食の計画、衛生管理、献立作成、調理業務、実施後の評価などといった一連の給食管理業務を実務として修得するものである。従って調理の回数を増やすだけでは授業の質を上げることはできないと当時の私は考えていた。
 

短期大学の特性とも言えるが、学生に与えられた時間は2年間。同様に教員が学生に教育できる時間も基本的には2年間である。学生には主体的な学びをして欲しいという思いから限られた時間の中で「いかにやる気にさせるか」が私のテーマとなった。そこで私は思い切って授業の進め方を変更してみた。まず、学生の「やる気スイッチ」をONにすることを優先した方法である。本専攻に入学する学生は基本的に調理が大好きである。調理実習になると言われなくても早めに調理室に入り目を輝かせながら準備をしている。しかし実習でなく講義になると一気にトーンダウンしてしまう。 教員からすれば講義も実習も両立して欲しいが現実ではそうはいかない。授業改善アンケート結果を見てもその傾向は明白である。

授業の進め方の変更点として調理回数を増やすだけでなく、学生が未熟であることは承知の上で今までよりも早い時期に集団給食の調理を経験してもらうことにした。確かに実習では学生の反応も良く、不慣れながらも熱心に動いている。しかし、その代償として教える側のこちらの負担は非常に大きく授業ではこちらも必死である。そんな教員の様子は学生の目に「教員の熱意」として映るようだ。最近では実習において学生の「やる気スイッチ」がONになる瞬間を感じることが増えてきた。授業改善の成果である。学生を「いかにやる気にさせるか」は変わらず私の課題となっているが、何かの授業をきっかけに関連する科目にも連鎖してスイッチがONになればきっと学びの質は高まると思われる。

学生が求めているものを把握できるツールとして授業改善アンケートは有効なシステムである。更にこのアンケート結果に加え、現代の学生はどこに「やる気スイッチ」を持っているのか模索することも必要であろうと考えている。


   
  Copyright 2009 Yamagata University higher education research project center , All Rights Reserved.
 
このホームページに関するご意見・お問い合せは、山形大学高等教育研究企画センターまで。
山形大学 高等教育研究企画センター 〒990-8560 山形市小白川町一丁目4-12
TEL:023-628-4707 FAX:023-628-4720 k3cen@jm.kj.yamagata-u.ac.jp