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看護学部 : 村山 志津子


「実りある看護学実習にするために」

青森中央学院大学看護学部は8年間の短期大学を経て改組転換し、本年度第1期生を輩出しました。看護学部のFD研修会は、より「質の高い看護職を養成する」ことを目標として「学生のレディネスにあった教育的関わりについて」「学生の学習意欲を高めるための関わり」などをテーマに取り上げ、年2回開催してきました。毎回熱いディスカッションがなされ、有意義な時間になっていると感じています。ちなみに本年度の看護学部FD研修会への参加率は100%でした。

看護教育では実習や演習での教育も重要です。「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準−看護学分野−」(2017)では、「卒業後に看護専門職として社会の中で機能できているかは看護学教育の課題であり、教育を安全で質の高い臨床実践に反映させる必要がある。そのため、教育方法において演習や実習が重視される。」と述べています。

確かに看護学実習は学生が大きく成長する場であると言えます。瑞々しい感性で患者の命と向き合いながら、看護職としても人間としても大きく成長する姿に、こちらが感動することも多くあります。またがん終末期患者の看取りを経験したことをきっかけに、卒業後に緩和ケア病棟に勤務するなど、実習での経験が看護職としての進路に直結していることを感じます。それゆえ何を学ばせ、何を身につけさせるか、実りの多い実習とするために学生の指導にかかわる全ての教員の資質の向上が重要と考えます。

折しも本年度のFDは実習委員会と初めて合同で開催され、テーマは「実習指導において学生の意欲を高めるための関わり―学生の育つ力を支援する指導―」でした。看護学実習中に患者とのコミュニケーションに自信を無くしベッドサイドに行かなくなった事例の検討で、教員としてどのように関わるかについて4つのグループに分かれディスカッションしました。学生の行動の理由を把握する、思いを引き出す、教員がロールモデルを示す等、今後の実習指導に活用できる発表がなされ、自身の反省を含めて学びとなりました。 こうした事例を用いたFDは、新人教員にとってはベテラン教員から具体的な指導方法を学ぶ機会にもなったようです。 しかし今回は非常勤実習講師の参加が無かったことから、FD開催の時間をどうするかが今後の検討課題となりました。 看護系大学学士過程の臨地実習の基準案(修正版)(2017)には、臨地実習の教育にあたる人材に関する課題として、 <教員の不足>、<教員の教育力・指導力>、<臨床指導教員の確保>、<実習指導者との連携・協力体制>を挙げ、 さらに<教員の教育力・指導力>では、実践経験は十分にある教員でも自分が実践することと学生に教えることは必要な能力が異なり、 教員の教育力、指導力を高めるための取り組みの必要性が課題と述べています。当学でも同じ課題を抱えており、 種々の看護学実習において非常勤講師が担当する機会も多いことから、実習の現状を多角的に評価するとともに、 今後も看護学実習に関わる全ての教員の資質向上を目指してFDを開催していく必要性を感じています。





   
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