授業改善と環境問題
最近、我が家では毎晩、読書タイムを設けている。6歳の息子と一緒に英語の本を読むのは20分程度。先週は、ドクタースースの「ザ ローラクス (The Lorax)」だった。ドクタースースが描く可愛いらしい、不思議な動物たちがたくさん登場する作品であり、さらに、環境保護に主眼を置いている。最後に森を伐採して、世界を破壊した主人公が反省し、次の名言を残し、この本は終わる。
「Unless someone like you cares a whole awful lot, nothing is going to get better. It's not.
(君のように地球全体に関心を持つ人がなくては、何も良くならない)。」
今日、授業改善を考えるに当たって、環境問題と同様の視点が必要と思われる。授業を改善する上で、専門領域に関係なく、環境問題に取り組むのと同様の対局的で俯瞰的、そして柔軟な視点を持ち、物事の全体と核心をともに見据えることが必要である。そうすることで、学生たちは先生の見方や考え方、また心に触れることができ、学生が自らを高めながら真の学びが実現される。一見すると、見えづらい問題や課題を真摯に捉えている先生の授業は、学びを通じて、その中で間接的に学生たちに未来と希望を与えることになる。また、学生の学びに向けられるその温かで行き届いた姿勢は、教育に不可欠なものであり、信頼の源ともなる。
また、授業改善のためには、併せて学修環境・授業環境の改善に取り組むことも不可欠である。環境問題に直結する点としては、環境に負荷をかけないため、出来るだけペーパーレス化に努力しないといけない。そのためには、大学ウェブ上の授業サポートソフトウェア(本学では「Course Power」という)を使いこなし、プリント、写真、ビデオなど、授業に使えるものをインターネット上にアップロードすれば、印刷物が大幅に減らすことができるだろう。このように、授業を通じて学ばせるだけでなく、大学としての、また教員それぞれの細かな視点、ものの見方や考え方を学生に対して示していくことも、大学教育の責務といえるだろう。