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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

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青森県立保健大学 浅田 豊
(評価・改善委員会委員 准教授)

「単位互換用講義映像DVDづくりを通じての教育の質向上」

 本学ではヒューマンケアを実践・統合できる保健医療福祉の専門職として必要な、豊かな人間性と専門性を習得するため、看護、理学療法、社会福祉、栄養の4つの学科構成のもと、学部教育を行なっています。教育の理念・中核には、主体的学習者の育成、専門職間の連携・協調の力の育成が含まれます。FDに関しても年々充実を図り、学生による授業評価の結果の分析や教員同士の相互授業参観評価(ピアレビュー)の促進、授業評価結果のシラバスへの反映・表記、並びに各種研修会・ワークショップを含むFD諸活動を中心に、大学院分野、研究分野、地域貢献分野、職員研修分野等でのFDのあり方も模索中です。
 本学での近年の新たな取り組みの一つとして、青森市内計7大学による大学コンソーシアム青森への参画・運営があります。青森地域大学間連携協定・協議会及び青森市内学長会議の活動を基礎とし、文部科学省の戦略的大学連携支援事業の採択(「現代の北のまほろば 青森に根付く 知の循環型社会の形成」)を背景とするものですが、コンソーシアムでは現在、単位互換、合同講義システム構築、学生間交流、研究シーズ連携、市民公開講座等の事業を鋭意展開しています。その中で筆者は、自分の学部での教養教育(人間総合科学科目群)の授業(1年次後期2単位「教育と人間」15コマ)を、映像として収録し、単位互換に向けてDVD化する試みに参画しています。
 この単位互換の特徴は、合同講義システムを設置し、大学間の相互交流並びに教養教育の充実を展開することです。合同講義システムは、教室で学生が受講している筆者の講義を、ごく自然な授業風景としてまずは1コマ(80分)ずつ順番に撮影し、後の公開に向けて、全体的に編集を加えるものです。初回の授業の前に、同じ撮影機材を用いて、別の講義科目で一度練習撮影(予行演習)をしていましたため、本番では緊張なくいつもどおりの講義ができました。学生のほうが若干緊張しているように見えましたがその分私語も少なく、また学生の顔は映さない等の一連の配慮をしましたので、2コマ目以降は学生もリラックスして受講しているようでした。
 目の前でライブで、ボディラングエージを用いて熱く語る教員から講義を聞く学生とは違って、DVDを見て学習する学生にとっては、受け止め方・感じ方が異なってくると考えましたので、決して退屈させずに学習できるよう、各コマに、板書部分、エクササイズ、クイズを豊富に盛り込んでいます。筆者のレジュメをPDF化したものが画面の左上に同時に見える状態で、DVDを見ながら自分のノートにクイズの答えを書き終わった頃に、筆者が映像中でそのクイズの解説を話しているという流れに仕上げています。
 本システムを活用することにより、配信された他大学の授業を取り入れることで、授業の内容を充実させることができるほか、学生としては所属大学で授業が受けられ、移動時間解消となり、単位互換が促進されます。教員は講義を映像化する過程において種々の工夫をし、それが教育の質向上に繋がると思います。青森市内大学間で、今後、このシステムが円滑に運営できるよう、また高等教育の充実発展に少しでも貢献できるよう、教員の立場で工夫・改善をさらに図っていきたいと思います。

   
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