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 会津大学短期大学部  中澤 真
 (前FD委員長)

 私がICTを活用した授業改善の取り組みの一つとして、LMS(Learning Management System)のMoodleを個人的に導入して4年になります。 MoodleはライセンスフリーかつオープンソースのLMSであり、学習支援機能、コミュニケーション支援機能、授業管理機能を持ち、通常の対面型授業を補完・補強し、教育の質向上を高めるために利用することができるシステムです。
 私のMoodle導入の目的は二つあり、授業効率の改善と、授業時間内の学生間および教員−学生間のコミュニケーションの円滑化です。私が受け持つ授業は、すべてコンピュータ演習室で開講するものばかりであり、分野の性質上コンピュータを操作するなどの作業時間がどうしても必要となります。このため、学生のレベルによって作業時間が変動してしまい、授業の進捗に遅れが出やすいということに悩んでいました。また、昨今の学生気質からか、こちらからの問いかけにきちんと答えたりすることができる学生が少なくなり、学生の理解状況を把握するのもなかなか難しくなっているということも悩みの種でした。そこでコンピュータ演習室を使用していることを最大限に活かして、Moodleによる授業改善に取り組むことにしたのです。
 まず、授業時間を効率的に使うために授業時間内の紙媒体の資料配布をとりやめ、Moodle 上で授業に関する基本情報、各回の到達目標やねらい、教員が作成した資料、参考資料として用いるWEBサイトへのリンクなどを学生が系統的に閲覧できるようにしました。これと併せて、授業時間内にMoodleに学生がログインすることで出欠が自動確認できるモジュールをシステムに組み込み、教員が出欠確認のために授業時間を割く必要性をなくしました。このような授業時間を効率的に活用する取り組みにより、学生の理解度を考慮した作業時間を確保しつつ、カリキュラムとしての到達目標に達するための授業進度を維授することが可能になりました。
 また、もう一つの目的である授業時間中のコミュニケーションの円滑化の取り組みとしては、Moodleのフォーラム(電子掲示板)モジュールを導入し、教員からの問いかけに対する学生自身の考えや練習問題の解答などをフォーラムに投稿させるようにしました。受動的な姿勢で臨んでいる学生の授業への参加意識を高めるとともに、自分で考え,それを整理する作業の場を提供することにもなり、多少強引にではありますが、結果として受講者全体を授業に引き込むことを可能にしています。この他にも、ミニッツペーパーをシステム上で処理する機能を導入するなど、学生から私へフィードバックされる情報を充実させる試みに取り組んでいます。
 これらの取り組みの効果は授業評価アンケートにおいてもデータとして表れており、私自身も手ごたえを感じていますが、ICT活用だけですべてが解決できるわけではないことも実感しています。FD活動を通して私自身の教育者としての資質を高め、授業の工夫・改善をさらに図っていきたいと思います。
   
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