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 東京女学館大学  符 儒徳
 (国際教養学部准教授)
 

 東京女学館大学では、現在、個々の学生への就職・進学支援を充実させることを目的とする「卒業成長値を高める『10の底力』」(平成20年度「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」選定プログラム)に取り組んでいます。具体的には、教員は「10の底力」のうちから、それぞれの担当科目において伸ばそうとする底力を2つ選び、授業の進め方を工夫することによって受講生の「10の底力」を高めていきます。例えば、私の担当科目である「国際情報論(International Information)」では、「10の底力」から「国際感覚・多文化理解能力」と「IT能力」という2つの底力を選び、授業内容の構成や展開及び運営を行っています。
 平成22年度秋学期には、FD活動の1つとして、専任教員による相互授業見学を実施しました。チェック項目は次の5つです。@授業のテーマが明確か、A「10の底力」のうちから選んだ底力1についての認識ができているか、B「10の底力」のうちから選んだ底力2についての認識ができているか、C参加型授業の雰囲気作りができているか、D学習意欲を引き出すような工夫があるか。実施方法は、@1つの授業は3人までの専任教員の見学を受け入れること、A1人の教員は他3人以上の先生の授業を見学すること、B各授業担当教員は、(授業見学した教員から)受け取ったコメントに対する改善策、また見学して学んだこと、今後取り入れたいこと・視点などを記述し、翌週FD委員長(学長)に提出するでした。
 その結果、計41科目の授業が見学され、平均的に1科目あたり1.4人の教員が見学しました。また、教員1人当たりの見学科目数は3.2でした。
 今回実施した相互授業見学により、「10の底力」に関する共通認識ができているのはもちろんのこと、東京女学館大学の特色である少人数教育を生かした双方向・対話型の授業が行われていること、ICTなどを活用した授業が多数あること、などが確認できました。
 授業見学した教員は、その授業の担当教員や受講者の立場に立って授業運営や教授法を丹念にチェックしコメントを付けただけではなく、刺激を受けたことも窺えます。実際、「ぜひ今後参考したい」「自分の授業に適用したい」という声がかなりありました。このことから、多くの教員は独特な授業運営方法や教育ノウハウをもっていることが今回の授業見学によりわかりました。
 ただ、今回の授業見学は、大学の認証評価の準備作業などと相まって非常に多忙な中で実施されたこともあり、授業見学した教員のコメントを授業担当教員が十分に検討する時間がなく、フィードバックもあまりなされていないことが問題として残っています。このような問題を含め、今後、実施結果をどのように授業改善に活かしたらよいかを検討しなければなりません。また、FD委員会で今回の実施結果をよく分析した上で、次回からは全教員(含む非常勤講師)に対して授業見学を実施していくことが望ましいと考えています。

   
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