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週刊・授業改善エッセイ
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 東京家政大学  井上 俊哉
 (FD委員会委員長)
 

   「よりよい授業公開のかたちを求めて」

 「つばさ連携校」の多くでそうだと思いますが,本学も試行錯誤を重ねながら,授業公開の定着・実質化を図っています。授業公開をはじめるより以前,平成18年に学内の専任教員に行ったアンケートでは,「授業改善を目的に,他の教員の公開授業があれば参加しますか」という設問に対して,「積極的にする」24%,「まあする」47%,「あまりしたくない」18%,「しない」12% という割合で回答が得られ,約7割の教員が授業見学への参加意思を表明していました。また,同じ調査で集められた自由記述でも,「学科内でお互いの授業を参観し合うようにする」「授業相互公開を必ず実施してほしい」「授業公開を各教員に義務付け合評会を開く」など授業公開を望む声が数多く寄せられていたため,機は熟したと考え授業公開制度を発足させました。授業公開をはじめた当初は,全学で3名から5名程度の教員に依頼をして,それぞれの都合のよいときに1度だけ授業を公開してもらうというかたちをとりました。しかし蓋を開けてみると,授業見学に参加した教員はごくわずか,しかもそのほとんどがFD委員という,とても活発とは言えない状況からのスタートになりました。
 授業見学が低調であることの一因は公開授業の数が非常に限定的だったことにあると考え,つぎの段階では,公開対象(見学できる授業)の数を増やし,自分自身の授業のない時間に気楽に見学に行けるようにと,前後期とも1週間の授業公開週間を定めてその間の全授業(非常勤にも協力を求め)を公開することにしました。その結果…見学した教員は,やはりあまり多くありませんでした。お互いの授業を見学し合うという慣行が確立しない中で,関心はあっても,実際に見に行くことへの抵抗感があったように思われます。FD委員会でも,「どの授業を見てもよいと言われても,行きづらい(教室に入りにくい)」という声があがりました。 そこで,平成22年度後期の授業公開では,専任教員全員に,各自の授業の中から「見てよい」1科目を選定してもらい,それらの授業の担当者名,科目名,曜日・時限,教室名を,曜日・時限の順に並べてリストにまとめ,全教員に配付しました。公開された授業は約150です。この方式のねらいは,見に行く際の心理的抵抗感を下げることにあり,90分すべてを見るなどの制約も設けませんでした。見学者を増やすという点で,この方式は一定の成功を収めました。少なくとも1つの授業を見学した教員は70名を超え,複数の授業を見学した教員も何人もいました。見学後に記入してもらった感想をみても概ね好評で,とくに,若手の教員が喜んでくれたようです。平成23年度も,見学者の枠を職員にまで広げほぼ同じ形式で行ったところ,教職員あわせて90名以上の参加が得られました。
 一人でも多くの教員に,とにもかくにも「授業公開に参加(見学)」してもらい,見ることで何かが得られると実感してもらおうというレベルでは,うまく動き始めたといってよいと思います。今後は,モデルとなる「良い」授業を選んでの公開,授業についての検討会の実施などを視野に入れながら,本学に合った授業公開のかたちを探し続けたいと考えています。

   
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