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週刊・授業改善エッセイ
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 山形県立米沢女子短期大学  小林 文雄

 私は、おそらく、本学のSD・FD活動の取り組みに熱心に関わっているほうの人間ではない。それなのに突然、自己評価改善委員長から、「FDネットワークつばさ」の週刊・授業改善エッセイに寄稿するように、と仰せつかった。学内で開示されている「学生による授業評価アンケート」の結果がそれほど良いわけでもなく、授業参観もしたことがない私に、なぜその役目が回ってくるのか、不審である。これは何かの罰だろうか、と嘆きつつ、締切を迎えてしまった。
 2年ほど前、本学のSDFD研修で授業改善実践報告をしたことがあった。そのときは、所属学科の必修授業をモデルに選び、3週に1回ずつ、アンケート用紙を受講生に配布し、講義内容への質問、授業の方法で改善すべき点などを自由記載してもらう。そして、その指摘は次回の講義に生かすよう心がけ、次回のアンケート結果に反映されたか確かめる、という手法をとった。もちろん、制度としての「学生による授業評価アンケート」はすでに実施されており、5段階評価のほかに自由記載欄に書かれた内容も、受講生のプライバシーに配慮しつつ教員側に知らされるようにはなっている。それでも、記載する受講生はいつもわずか。それに対して今回は、授業評価アンケートと違い、授業している本人が読むとわかっているのである。果たしてきちんと書いてくれるだろうか、という心配は見事にはずれた。多くの悪い点が指摘され、それを改善するとまた新たな指摘を受ける、ということの連続だった。こんなにダメ出しばかり続くと憂鬱になる。少しは良い点も書いてくれないとやる気が出ない。授業改善実践は身体に悪い、というのがここから得た教訓である。
 報告後、ある教員からは「信頼関係があるからこんなに書いてくれるんですよ。」と慰めの言葉をいただいた。また後日、この年の当該学科学生の授業評価は概して辛口だったという話も伝わってきた。毎年、入学する学生の色合いは微妙に違う。この年はたまたま堅く構えず、気軽に書くことができる学生が多かったのかもしれない。授業自体は、アンケートの効果で年々少しずつ改善されたとしても、受講生にとっては半年か1年限りのもの。一期一会、とは大げさだが、毎年初心に返って学生との関係を築いてゆくのが大切なのだ、とあらためて実感できたのも授業改善実践のおかげである。
 「学生による授業評価アンケート」は、現在でも実施されている。ただ、数値化できる項目はネット上で学内公開されているが、自由記載欄(=ほぼダメ出し?)の部分だけ、学長の手元にあり、学長室で学長から直々に手渡される。つまり教員が個別に学長室を訪れなければ入手できない。職員室に呼び出しをくらった高校生のような気分で、学長室をノックするだけの勇気がなく、今年度前期分の授業評価がいまだに分からずじまいである。学長と一介の教員がこうした形で身近に触れ合えるのは、こぢんまりとした大学ならではの良さといえるかもしれない。だが、やはりこの点だけでも改善してもらえないものだろうか・・・

   
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