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 札幌大学 札幌大学女子短期大学部  梶浦 桂司
 (FD推進委員会委員長 法学部教授)  
 

   『授業改善アンケートと学生の反応』

 本学では、2010年度より各学期2回授業改善アンケートを実施するよう、実施方法を改めました。いわゆる、中間アンケートを導入したということです。従来の学期末1回のアンケートでは、受講学生達たちの意見が次年度反映されているかどうかが分からず、授業改善の恩恵を受けられません。そこで、受講学生達が、学期中に授業改善の恩恵を受けられ、授業内での学生と教員間の信頼関係をさらに強くするために、学期の中間点で学生達に授業改善に関するアンケートを実施し、学期末にもう一度授業全体を振り返ってもらいながら再点検するという方式に改めました。このエッセイでは、中間アンケートのことに限定して呟いてみたいと思います。
 中間アンケートは、2単位の科目は、7・8回目、4単位の科目は、15・16回目に無記名・自由記述式のフォーマットを使って行われます。質問項目は、「1.この授業でよかったと思う点、変えないでほしい点を書いてください」、「2.この授業でよくなかった点、改善すべきと思う点をかいてください」、「3.その他、授業に関して要望等があれば書いてください」の3つです。アンケート実施後、アンケート用紙を封筒に入れて受講学生の中で担当教員に指名された学生が事務局に提出をし、事務局でアンケート用紙をPDFファイル化してから、担当教員にアンケート用紙の原本を返却します。アンケート用紙は、アンケート実施後2日以内に担当教員に返却されます。そして、同教員には、学生のコメントに目を通し学期末アンケートまでに授業内で口頭または文書の形で受講学生に対して直接レスポンスすることを要請しています。
 私の場合には、学生からのコメントの全てを質問項目ごとに、パワーポイントを用いている講義では、そのままスライドに映し出して、黒板のみを用いている授業では、そのまま口頭で説明をし、レスポンスしています。学生達からは、自分以外の受講生がどのように考えているのかが分かるし、丁寧にレスポンスもしてもらえるから先生がどのように考えているのかが理解できてとてもいいと思うと評価されています。この私のやり方は、授業時間のかなりの部分を使うことになりますが、中間アンケートを通じて受講学生達とコミュニケーションをとることに重点を置いた結果です。受講学生の中で、比較的頻繁に会話をする学生は限られていますから、そのほかの学生達とのアンケートを通じての会話は私にとって非常に重要なものです。また、現実に学生達からもアンケートのレスポンスを通じて自分以外の受講生がどのように考えているのかを知ることで、「新たな気づき」も生まれてきており、これは当初の目的が十分果たされていると自画自賛しているところです。
 たまたま、中間アンケートのレスポンスについて比較的頻繁に会話をする学生数人から同じ法学部の同僚についての話を聞くことができました。その同僚もパワーポイントで受講学生のコメント全てをスクリーンに映して説明をしているとのことで、学生達が私やその同僚のように良いコメントも悪いコメントも全てを提示して説明してくれることで、ほかの学生がどのように考え、先生がどのように考えているのかについて理解できることから、先生たちのようにレスポンスしてもらえることがとてもうれしい、と話してくれました。
 授業内でのレスポンスがどの程度、そしてどの様に行われているかまで、把握できるような仕組みが残念ながら整っていませんが、学生達から嬉しいと言われていた同僚のような教員が、本学にさらに増えていくようにFD活動を推進していかなければならないと感じる今日この頃です。

   
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