刑事政策
 Criminology
 担当教員:齊藤 豊治(SAITO Toyoji)
 担当教員の所属:非常勤講師(大阪商業大学経済学部教授)
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:4単位  開講形態:講義
【授業概要】
・テーマ
 刑事政策は広義では犯罪原因論を含むが、「刑事政策総論」ではもっぱら狭義の刑事政策を講述することにし、刑罰制度の概要、犯罪者処遇、犯罪被害者への施策などを検討する。「少年法」では、少年法の歴史、少年手続の仕組みと問題点、少年犯罪の状況等について講義をする。
・ねらい
 犯罪問題は、マスコミのセンセーショナルな報道の影響もあって、偏った理解が行われがちである。講義では、そうした点を重視しつつ、正確な理解に到達することを目標にしたい。「刑事政策総論」では刑罰制度と犯罪者処遇制度の基本について理解することを目標においている。「少年法」では、少年法に関する基本的な知識の習得と少年法の意義を理解することを目標としている。
・目標
 集中講義なので、効率のよい学習をしてもらい、その結果を試験とレポートで確認をする。講義がすべて終了した後、各自が選択したテーマについて、レポートの作成を行う。

【授業計画】
・授業の方法
 「刑事政策総論」、「少年法」ともに、主としてパワーポイントやプリントを用いた説明を行う。適当なものがあれば、ビデオも活用したい。
・日程
 授業の内容と進行の予定は以下のとおりである。
「刑事政策総論」 
 1.刑事政策の意義と課題
 2.犯罪統計およびわが国の犯罪現象
 3.刑罰制度の概要と歴史
 4.刑罰の機能と刑の量定
 5.死刑
 6.自由刑
 7.財産刑
 8.保安処分と触法性精神障害者の処遇
 9.犯罪者の施設内処遇:受刑者の法的地位
10.犯罪者の施設内処遇:受刑者の処遇(1)
11.犯罪者の施設内処遇:受刑者の処遇(2)
12.犯罪者の社会内処遇:意義と歴史および仮釈放
13.犯罪者の社会内処遇:保護観察と更生保護
14.犯罪被害者をめぐる諸問題
「少年法」
 1.少年法の対象と少年司法の仕組み
 2.少年法の歴史と理念
 3.改正少年法の概要
 4.非行少年の発見活動と少年警察
 5.家裁の事件受理と観護措置
 6.少年保護事件の調査:調査の意義
 7.少年保護事件の調査:調査の手続、試験観察、資質鑑別
 8.少年審判:基本構造と審判対象
 9.少年審判:関係者
10.少年審判:審判の手続と証拠法則
11.少年審判:終局決定 
12.少年審判:効力、不服申立と再審
13.保護処分の種類と内容および刑罰の執行
14.少年司法に関する国際準則

【学習の方法】
・受講のあり方
 集中講義なので、学生も講義に集中して下さい。六法を持参し、参照をして下さい。毎時間出席し、板書や講述した内容をきちんと筆記して下さい。予習、復習は特に求めません。分からないことがあったなら、その場か休み時間に尋ねて下さい。
・予習のあり方

・復習のあり方


【成績評価の方法】
・成績評価基準

・方法
 試験(50%)とレポート(50%)で評価をする。試験は、「刑事政策総論」と「少年法」のそれぞれが終了した後に行う。講義がすべて終了した後、各自が選択したテーマについて、レポートを作成し、提出する。レポートは、4000字〜5000字とする。

【参考書】
 1.『2007年版犯罪白書』
 2.前野育三ほか『刑事政策のすすめ』(第2版)(2007年、法律文化社)

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