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第63次南極地域観測隊に参加、2回目の南極へ ~夏隊・一般研究観測:極域の地殻進化の研究~

掲載日:2021.10.07

本件のポイント

9月13日〜16日地質隊物資梱包作業(極地研)にて、沿岸で使用するテントの設営・確認の様子の画像
9月13日〜16日地質隊物資梱包作業(極地研)にて、沿岸で使用するテントの設営・確認の様子

  • 山形大学の加々島慎一准教授(地質学・岩石学/理学部主担当)が、第63次南極地域観測隊(夏隊)に参加します。
  • 新型コロナウイルス感染症対策のため、10月下旬から検疫隔離、11月10日に南極観測船「しらせ」に乗船し、日本から南極へ向かいます。
  • 昭和基地近傍へは12月中旬頃到達、南極大陸沿岸の露岩体でテント生活をしながら、来年2月頃まで地質調査・岩石試料採取を行う予定です。

概要

 加々島准教授の南極観測隊への参加は、46次観測隊(夏隊)以来、17年ぶりとなります。昭和基地周辺の南極大陸は、約39億年前の太古代初期〜約5億年前の古生代初期にかけての古い大陸地殻が分布しています。土壌や人工物などに邪魔されず、太古代〜古生代の岩石を直接観察し採取できる世界でも非常に希少な地域の一つです。特に、加々島准教授は下記概要①のエンダビーランドにて太古代の火成活動の解明が主目的であり、日本の観測隊が未調査の露岩へのフライトを希望しています。観測隊計画の最終決定は10月の本部総会、また現地の海氷状況や天候やしらせ搭載ヘリの状況等によって、計画通りに進まない可能性もあります。南極では、ヘリにて露岩へ移動し、地質隊3名でテント生活をしながら地質調査・岩石試料採取(環境省の許可が必要)を行います。調査予定地(希望地)は別紙を参照してください。

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メンバー

第63次南極地域観測隊は、越冬隊35人、夏隊39人が決定しています(9月10日現在、交代要員を含む)。
詳細については、国立極地研究所のウェブサイトにて公開されていますのでそちらをご覧ください。
https://www.nipr.ac.jp/antarctic/info/20210910.html
○今回の夏隊・一般研究観測・地質隊は3名からなります。
 馬場壯太郎(琉球大学教育学部・教授、第49次・58次夏隊)
 加々島慎一(山形大学学術研究院・准教授、第46次夏隊)
 中野伸彦(九州大学大学院比較社会文化研究院・准教授、第49次夏隊)

63次隊の活動方針と地質隊の活動内容

(1) 南極観測隊は、昭和基地での観測継続に必要な人員交代と物資輸送が最優先されます。
(2) 63次隊では、重点研究観測をはじめ、62次隊で見送った夏期研究観測を可能な限り実施します:今回の地質隊も本来は62次で実施される予定でした。
(3) 地質隊の研究目的:約39億年前の太古代初期〜5億年前の古生代初期にかけての大陸地殻進化についての情報を引き出すために、リュツォ・ホルム湾〜プリンスオラフ海岸〜エンダビーランド露岩域において、野外地質調査と岩石試料採取を実施します。
(4) 地質隊の調査の概要
①エンダビーランド:これまでに日本の観測隊が未調査の露岩の地質調査および岩石試料採取を実施。原岩構成および火成活動を明らかにし、太古代の堆積岩類の生成環境や火成活動の特徴を考察し形成プロセスを提案。
②プリンスオラフ海岸および③リュツォ・ホルム湾西岸ボツンネーセ地域:地体構造の再区分を目的として、未調査露岩やこれまであまり調査がされていない露岩などで地質調査および岩石試料採取を実施。

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