ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2021年12月 > 学長定例記者会見を開催しました(12/2) > 山内泰樹教授が産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞~有機EL照明の標準化活動への貢献が評価~

山内泰樹教授が産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞~有機EL照明の標準化活動への貢献が評価~

掲載日:2021.12.02

本件のポイント

  • 山内泰樹教授(視覚情報処理)が令和3年度産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞しました。
  • 2010年に開始した有機EL照明の国際標準化活動についての功績が評価されました。

概要

 山内泰樹教授(視覚情報処理/大学院理工学研究科担当)が令和3年度産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞しました。本表彰は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定、国内規格(JIS)策定や適合性評価活動といった標準化活動に優れた功績を有する個人、組織を表彰するものです。山内教授は、2010年以来、IECや国際照明委員会(CIE)における有機EL照明の標準化活動に従事し、IECの技術委員会での議長、CIEの技術委員会の委員長を務め、標準化活動を主導してきました。これらの活動及びIECとCIEへの継続的な貢献が認められ、今回の受賞となりました。

詳しくはこちら(プレスリリース)をご覧ください。

産業標準化事業表彰について

 経済産業省では、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定、国内規格(JIS)策定や適合性評価活動といった標準化活動に優れた功績を有する個人、組織を表彰し、毎年「産業標準化推進月間」である10月に表彰式を開催しています。功績に応じて、内閣総理大臣表彰(1名)、経済産業大臣表彰(20名5組織)、及び産業技術環境局長表彰(30名、1組織)が受賞します。

活動における功績

 国際標準化活動は、ルール形成の一環であると同時に、産業界にとっては市場形成及び環境整備の手段の一つとして国際的に認識されています。日本においても「標準化人材を育成する3つのアクションプラン」(2017年1月策定)等の中で、国際標準化活動を支える人材の育成が重要な施策の一つとして挙げられています。
 山内教授は、2010年にIECにて発足した有機EL照明の技術委員会に当初から参加しており、2017年からはコンビナー(議長)として、委員会自体が円滑に進捗するように主導し、これまでに5件の国際規格の成立に貢献してきました。そのうちの3件は、日本からの提案です。日本からの提案規格については、プロジェクトリーダーとして、その提案規格が成立するように中心的役割を果たしています。経済産業省の委託事業「省エネルギー等国際標準・普及基盤構築」(2014〜2017年)、「省エネルギー等国際標準開発(国際電気標準分野)」(2017〜2019年度)、「省エネルギー等国際標準開発(国際電気標準分野)」(2020年度〜)では、OLED及びフレキシブルOLEDの国際規格制定に関する活動を事業の実施代表者として総括し、主導してきました。
 CIEでも、面光源という従来光源とは異なる形態を有する有機EL照明の光学的特性を測定するために、OLED固有の光学特性の測定方法を検討する技術委員会が2011年に設立されました。面光源の均一性評価法や、光源サイズが光学特性(例えば全光束測定)に及ぼす影響など、IEC規格制定に不可欠な課題解決に向けた活動に尽力し、2015年からは技術委員会の委員長に任命され、委員会全体を統括、委員会活動を主導するとともに、メンバーに対して測定方法の裏付けとなる実験データを提供するなど実質的な活動を一手に担ってきました。これらの上記の一連の活動が評価され、この度の受賞へと至りました。

今後の展望

 有機EL照明の普及は、まだ今後の課題となっています。市場への普及や残課題の解決に向け、さらに日本の技術力がきちんと評価される規格づくりができるよう、今後も努力していきます。

関連リンク

  • シェア
  • 送る

プレスリリース一覧へ