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新規事業の成果実感を左右「形で動かすリーダーシップ」を解明~山形大学と株式会社bridgeが共同調査、成果実感に繋がる行動特性を可視化~

掲載日:2026.05.07

本件のポイント

  • 山形大学社会共創デジタル学環 三冨敬太准教授は、株式会社bridgeと共同で、新規事業開発におけるリーダーシップ・スタイルと成果実感の関係を明らかにする実態調査を実施
  • 調査の結果、心理的安全性のみならず、自らの意志を具体的な形として示し、周囲の意思決定と行動を促す「形で動かすリーダーシップ(Tangible Leadership)」が、成果実感と強く関係する可能性が明らかに
  • 本研究は、企業における新規事業開発の実践知として活用を期待されるとともに、社会共創デジタル学環におけるプロトタイピング研究・教育の発展にもつながることを期待

概要

山形大学社会共創デジタル学環 三冨敬太准教授は、事業づくりと組織づくりを支援する株式会社bridgeと共同で、新規事業推進におけるリーダーシップ・スタイルと成果実感の関係について実態調査を実施しました。

新規事業開発の現場では、多くのプロジェクトが立ち上がる一方で、成果を十分に実感できず停滞するケースも少なくありません。こうした背景を踏まえ、本研究では、大企業および中堅企業の新規事業開発担当者、マネージャー、経営層を対象にインターネット調査を実施し、組織行動と成果実感の関連構造を分析しました。

その結果、周囲の意見を調整するだけでなく、自らの意志や仮説をプロトタイプなどの具体的な形として示し、対話や意思決定を促すリーダーシップが、成果実感と強く関係する可能性が示されました。生成AI等の普及により、誰もが短時間でアイデアを形にできる時代において、「形を通じて周囲を動かす力」の重要な知見として期待されます。

詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。

研究内容・主な結果

本研究では、2025年12月から2026年1月にかけて、大企業および中堅企業の新規事業開発担当者、マネージャー、経営層を対象にインターネットアンケート調査を実施し、有効回答340名を得ました。分析には相関分析やパス分析等を用い、リーダーシップ行動、組織文化、成果実感の関連構造を可視化しました。

主な知見は以下の通りです。

  1. 「形で示す説得型」のリーダーシップは、成果実感と強い関連を示した:周囲の意見をまとめるだけでなく、自らの意志や仮説を具体的な形として提示し、対話を前に進める姿勢が、成果実感と強く関係していました。
  2. 初期段階で形を示すことが、組織を動かす契機となる可能性が示された:アイデア創出の初期段階から仮説や試作品を提示しているチームでは、その後の検証や事業化の各段階においても高い成果実感が見られる傾向が確認されました。
  3. 心理的安全性だけでは十分ではなく、具体的な行動が重要である可能性が示された:失敗を許容する雰囲気づくりに加え、実際に形をつくり、見せ、対話を動かす行動が、成果実感にとって重要な役割を果たすことが示唆されました。

これらの結果は、山形大学が研究してきたプロトタイピングの価値、すなわち「未完成であっても形にすることで、他者の想像や対話を引き出し、共創を促す」という視点とも整合的です。

ホワイトペーパー

本共同研究の成果は、株式会社bridgeと山形大学社会共創デジタル学環によるホワイトペーパー『新規事業を加速させる「形で動かすリーダーシップ(Tangible Leadership)」』としてまとめました。本ホワイトペーパーでは、調査結果の詳細に加え、リーダーシップ行動、組織文化、成果実感の関連構造を整理し、新規事業開発に資する実践的な知見を紹介しています。ホワイトペーパーをご希望の方は、以下URLからダウンロードください。

https://app.box.com/s/k855slq1v82ky6o53xua4nmpoa1tj5si

共同研究者コメント

長 伸行(株式会社bridge 代表取締役):自走する組織に必要なのは、安全な場だけではないことが、今回のデータで明らかになりました。形を出し合う文化が生まれたとき、人は動き、組織は自走し始める。長年現場で感じてきたことが、数字として示されたことに、支援者として純粋に手応えを感じています。

三冨 敬太(山形大学社会共創デジタル学環 准教授):未完成であっても具体的な形が提示されると、人はそれを手がかりに自分の経験や記憶を重ね合わせ、解釈し、意見を出し始めます。私たちの研究でも、プロトタイプのような「形」が人の想像や対話を引き出し、周囲を巻き込みながらプロジェクトを前進させる重要な役割を持つことが示されてきました。今回の調査結果は、こうした実践的な感覚をデータとして裏付けるものだと考えています。

共同研究・調査の概要

・調査期間:2025年12月~2026年1月
・調査対象:大企業および中堅企業の新規事業開発担当者、マネージャー、経営層
・有効回答数:340名
・調査方法:インターネットアンケート調査
・共同研究先:株式会社bridge
・分析協力:山形大学社会共創デジタル学環共創プロトタイピングラボ(三冨研究室) 

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