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山地智里 人文社会科学部 地域公共政策コース 2年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2019年2月26日~2019年3月11日

日本語教室での活動内容
 日本語教室は、午前・午後の昼の部と夜の部があった。昼の部では主に会話の練習や文法、夜の部では基本的なひらがな・カタカナを教えた。
 会話では、お互い自己紹介をして質問しあう形で1対1というより複数で話す形だった。日常的な会話ができる人から日本で働いたことのある人までいるので能力差がある。そのため、分からない言葉があるときは、分かる人が教えてくれるので英語が通じなくても困ることはなかった。折り紙をしたり、日本語で絵しりとりをしたり、お互いの国の昔話を伝えあったりして楽しく過ごせた。現地の学生は普段、ネイティブな日本語を話す人が周りにいないため、何より会話練習を求める。そのため、何日かすると会話の話題がつきるため、ベトナムで過ごす日々の中で疑問に思ったことや、日本と異なる点を見つけ、ノートに書き留めて置いて会話のネタにした。
 夜の部のひらがな・カタカナを教える際には、何度も発音をするように心がけた。“つ”や“だ”など発音がしづらい音があるため、正しい発音ができているかしっかりと聞き、訂正した。日本語ができる現地の学生さんが助けてはくれるが、日本語も英語もあまり伝わらない状況で教えるのはけっこう大変だった。事前にその日の授業で使う語句や文章をスマホを使ってベトナム語に翻訳しておいた。ただ、スマホで調べたものだと正しくなかったりするので、余裕があるときは、日本語が分かる人に確認してもらった。また、簡単な単語を教える際には、絵を描いたり写真を見せたりした。中には英語がとてもできる学生もいるし、軽い英語なら理解してくれたりするのでベトナムへ英語を使わない気持ちで行ってはだめだった。
 会話クラスの人たちも、自分たち日本人と話すのをとても楽しんでくれていた。特に、ひらがな・カタカナクラスの人たちは覚えた日本語で必死に質問してくれたり、身振り手振りで質問してくれて純粋に日本語を学びたいという気持ちが強く感じた。

 日本語教室以外での交流活動
 授業をする以外は、現地の日本語が上手な学生さんたちがいろんなところに連れて行ってくれた。昼ごはんと夜ごはんは毎日一緒に食べた。ごはん以外にもカフェに行ってお茶を飲んだりした。ベトナムの学生たちが遊ぶ、羽のついたものを蹴り合う遊びを教えてもらったり、トランプをやったり、カラオケに行ったりして想像以上に仲良くなれた。授業が無い週末は観光地へと連れて行ってくれた。チャンアンという場所で舟に乗って、洞窟の中に入ったりしたのは冒険しているみたいで、日本では絶対にできない体験だったからとても記憶に残っている。みんなでベトナムの民族衣装のアオザイを着て写真撮影をしたときには、どのようにして撮れば綺麗かいろいろ考えてくれた。大学の周りの町は、大学生や地元の人向けのお店で、週末に行くところは観光客向けなのでその二つを味わえるのは学生大使ならではだなと思った。

 参加目標への達成度と努力した内容
 自分はこの学生大使に主に3つの目標を持って参加した。1つ目は現地の学生の能力にあった授業をすることだ。この目標の達成度は60%くらいだと思う。基本的にどんな授業をするのかは、学生からの希望に沿って進めていたため、会話練習を求められると学生の日本語能力がどの程度なのかあまり把握できなかった。ひらがなを教える場合は、学生の理解力に合わせて進めることができた。発音ができている人には、単語を中心に進め、発音が苦手である場合は何度も読んでもらうようにした。
 2つ目は、ベトナムの学生と日本の学生の違いを知ることだ。会話練習でたくさん話す中で、趣味や将来の夢、悩みなどを聞くことで似ているところもあったし異なる部分もあった。趣味がゲームだったり読書や料理だったり、一緒に遊んでいると日本の友達と居るのと変わらない気持ちだった。異なる点は、将来に対する取り組みに真剣なことだ。現地の学生たちに日本語を学ぶ理由を聞くと、将来日本で働くためだとほとんどの人が言っていた。日本の文化が好きだからというわけでなく、給料が高い日本で働くために日本語を学んでいることに驚いた。この違いを知るという目標は80%くらい達成できたと思う。
 3つ目は、海外を身近に感じることだ。自分はこれが初めての海外だった。2週間いる中で、恐れずに現地の文化に触れ挑戦してみて、海外に対する敷居を低くしたかった。この達成度は80%くらいだった。買い物をするときに英語を使ってみたり、日本で食べる機会のないものを食べてみたり、ベトナムの遊びも教えてもらったりした。特に買い物のときは、現地の人が英語と一緒に優しく笑顔で対応してくれて、外国に対する印象を大きく変わった。

 プログラムに参加した感想
 このプログラムの2週間はあっという間だった。日本に帰ってから振り返ると、本当に違う国の出来事だったと感じる。生活文化の違いはあるが、人の性格に大きな違いはなく、授業ではこっちが頑張っているとあっちも頑張ってくれるし、笑顔を向けると返してくれるし、国は違うけど人は同じなんだと強く感じた。常に現地の学生がそばにいてくれるため、来る前に抱いていた不安は滞在中には消えていた。現地の学生には、たのしい2週間を過ごさせてくれてとても感謝している。

 今回の経験による今後の展望
 今回の経験で自分の中で海外がすごく身近に感じるようになった。確かに、日本との生活文化の違いには戸惑うが、これからもいろんな国に行ってみたい。また、その国の歴史的背景からその国の文化の形成された経緯を知りたいと思う。そのために今後は、日本だけでなく他国の歴史やニュースについて学んでいきたい。加えて、ベトナムの人たちがしてくれたように、日本に来ている外国人の人を見かけたら笑顔で優しく接していこうと思う。

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チャンアンで乗船