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欠端友香 人文社会科学部 経済・マネジメントコース 2年

派遣期間:平成30年8月20日~8月29日 

〈日本語教室での活動内容〉
 日本語教室は月曜から金曜まで、平日は毎日行われ、10時30分から12時まで、15時40分から17時10分、18時30分から20時までの3回行われた。クラスは、ひらがなの「あいうえお」から始めるビギナークラスと、ある程度の会話ができる会話クラスとに分けられており、小さい子供から50代の大人まで、たくさんの人たちが日本語を学びに来ていた。
 ビギナークラスでは、「あ」から「を」まで、現地の学生が用意してくれた表を使い、1文字ずつ黒板で教えていった。その際手の空いている派遣学生は、ホワイトボードを持ちながら見回ることで、個人的なミスに対応することとした。ひらがな、カタカナのあとは、自己紹介、日常のあいさつなど、簡単な会話から教えていった。
ベトナムの人にとっては「し」の発音が難しいらしく、「スィ」と発音してしまうことを治すのが難しかった。
 会話クラスでは、ビギナークラスよりも、日本語でのコミュニケーションがとれる人たちが集まっていたので、日本とベトナムの文化の違いや将来の夢などテーマを決めて話しあった。ベトナムの学生はとても日本に興味を持ち、熱心に勉強する人たちが多かったため、積極的に日本語で話してくれる人ばかりで、話がとても盛り上がった。会話クラスでは、伝言ゲームをやってゲーム感覚で5w1hを日本語で正確に伝える練習をした。

 〈日本語教室以外での活動内容〉
 日本語教室以外では、現地の学生がいろいろな場所に連れていってくれた。日々、教室の合間にいろいろなベトナム料理のお店や、大学に隣接しているお店など、観光地とはまた違う、ローカルな場所をたくさん見て回った。大学横で、観光客がいっさいいなかったため、あまり自炊をしないベトナムの人のために、安い食べ物屋さんが多いことや、主な交通手段であるバイクがとても多いことを、身をもって体験することができた。
 毎日ひなたクラブのみんながいろいろなご飯のお店に連れて行ってくれた。ベトナム名物のフォーや、ブン・チャー、また、アヒルの肉やカエル肉など、日本ではなかなか食べることのない食べ物がたくさん出てきた。はじめは抵抗があったが、「せっかくベトナムに来たから…」と思って食べてみると、意外においしく、日本人の口にあう料理が多いと感じた。
 日本語教室がない土曜、日曜は、観光地のハノイセンターに連れて行ってもらい、伝統衣装のアオザイを着てたくさんの写真を撮ったり、名物のたまごコーヒーを飲んだりした。アオザイを着ているのは現地でも珍しいらしく、たくさんの人たちに一緒に写真を撮ろうと誘われた。移動はバスを利用したのだが、日本では考えられないくらい運転が乱暴で、日本がどれだけ丁寧な運転をしているかがわかるいい機会となった。

 〈参加目標への達成度と努力した内容〉
 参加に当たって私は、日本語を教えることと同時に、たくさんの現地の人と話して日本の文化の再認識、また、日本とベトナムの文化の違いを認識、理解することを重要視していた。日本語を教えるためには、まず自分に正しい知識が備わっている必要があり、自分が普段つかっている日本語がどれだけ乱れているかを認識した。また、現地の学生の補助がない場合もあり、日本語が十分にできない学生に、「今回はどのようなことをやるのか」ということを伝えるコミュニケーションがとても難しかった。しかし、ベトナムのひとはとてもやる気満々で、中には午前、午後、夜の計三回の授業にすべて参加する生徒もいたため、こちらも頑張って日本語を教えようという気になり、正しく、そして楽しく日本語を教えようと感じた。
 また、授業が終わってかも、その授業に参加した生徒たちが積極的に「一緒にご飯にいこう!」と誘ってくれたので、教室が終わってからも食事をしながらたくさん日本語で喋るという機会があり、より日本語が向上してとてもいいと思った。 

〈プログラムに参加した感想〉
 ベトナムでの生活は、あまり便利だとは言えない環境が多かった。衛生環境はあまり良いとは言えず、どこに行っても食べ物、飲み水には注意しなければならなかった。みんなで食あたりになり、とてもつらい日々が続き、正直早く帰国したいという気持ちばかりがあった。しかし、このつらい派遣期間中でも頑張ろうと思えたのは、とても親切にしてくれるひなたクラブのみんなや、積極的に日本語の勉強を頑張ろうとしている学生たちの存在があったからだと感じた。ベトナムの人たちの考え方は、日本人と近いようなものがあり、話していてとても楽しかった。また、みんな将来の夢を持っていて、日本で働きたいとたくさんの人が話してくれた。そのようなベトナムの人たちの夢や温かさに触れるたびに、この人たちのために、自分も全力で日本語を教えて、この人たちを応援したいと思った。

 〈今回の経験による今後の展望〉
 ベトナム国家農業大学の日本語教室では、年齢制限がないらしく、ひらがなから始めるビギナークラスにも、30歳、52歳の人など、学生よりも年上の方がたくさんいた。そのような人たちも、毎回熱心に勉強していた。私は以前までは、新しく学びたいことがあっても、「まあもう始めるには遅いかな。」「もっと早く始めておけばよかった。」と思って、やりたいこと、学びたいことも半ばあきらめているような状態だった。しかし今回ベトナムで日本語を教えるにあたって、主婦の方や年配の方など幅広い年齢の方々に出会って、学ぶことに年齢制限はないのだと感じた。
 これからは私がベトナムの人から学んだこととして、自分がやりたいと感じたことは、積極的にチャレンジしていきたいと感じた。