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菊池美里 人文社会科学部 人間文化コース 1年

派遣大学・派遣期間
ベトナム国家農業大学、2/19〜3/21 (27日間)

日本語教室での活動内容
 レベルごとに、会話と書きの二つのグループに分けた。全体的に、できるだけ日本人がいるということを利用して、発音や自然な会話について教えるようにした。また、山形大学の生徒が集中した時には、役割がなくなる人がいなくならないように工夫をした。
 会話クラスでは、自己紹介から始まり、そこから話題を広げて、趣味の話や好きなものの話で生徒と盛り上がった。時には、ウノをしたり歌を歌ったりして楽しみながら日本語を使った。
 書きのクラスでは、ひらがな、カタカナ、最終的には簡単な文を教えた。文字を教えるときは、せっかく日本人がいるので発音の細かいところまで正確に何度も繰り返し教えた。

日本語教室以外での交流活動
 授業以外で印象に残っている活動は、週末の旅行だ。いろいろな所に連れていって貰ったが、旅行で一番覚えているのは、Chùa Bái ĐínhとTràng Anに行ったことだ。
 Chùa Bái Đínhでは、広い寺の中で沢山の像を見ながら歩き回った。黄金の仏像を見たときは圧巻だった。ベトナムは宗教色が強い国という印象では無かったが、それでも東南アジア最大の仏教の寺がベトナムにあり、そこを訪れることができたのはいい経験になった。
 Tràng Anではボートに乗って大自然の中を回った。見渡す限り緑いっぱいの中をボートでめぐったのは本当に気持ちが良かった。また、ボートで洞窟の中にも入った。洞窟の中は涼しくてとてもきれいだった。
 この旅行の他にも、ベトナム人と毎食共にしたのも心に残っている。食事をしながらたわいもないことを毎日話して、笑って、そんな思い出が、結局一番楽しいものだったと思う。一か月間、ほぼ毎日三食一緒に食べたからこそ、ここまで日本人ともベトナム人とも仲良くなれたのだと思う。

参加目標の達成度と努力した内容
 私の参加目標は、ベトナムの文化やベトナム人の考え方を、直接見て聞いて感じてくることだった。ベトナムは、発展途上国であり、日本より進んでないところばかりである。時には、不便なあまり、日本に帰りたくなったかもしれない。でも、だから得られるものがあると思って入国した。そしてその結果、私はその目標を達成できたと思う。沢山ベトナム人に話しかけ、多くの時間を共にした。時には、お金の話や恋愛の話、家庭の話など深い話も聞いてみた。ベトナムは、物価の安さを考えても仕事の給料が非常に安いと分かった。だから、今、多くのベトナム人が日本語を勉強し、日本で働きたいと思っているのだ。他にも、ベトナム人は結婚しても働き、祖父母に子育てを任せるというのは日本とは違うなと思った。このように、ベトナムの事情を現地の人から直接聞けたのは、本当にいい経験になったと思う。

プログラムに参加した感想
 私は、これが初めての海外だったので、初海外には学生大使がいいという先輩方の発表を聞きあとを押されて参加した。聞いていた通り、現地の生徒は、日本に興味がある人たちなので、私たちに本当に親切で、本当に居心地が良かった。何をするにも付いてきてくれて、私たちが安全に生活できたのは、間違いなくベトナム人たちのおかげだと思う。現地のベトナム人とこのように深い交友関係があったからこそ、こんなにもこの滞在を楽しめたのだと思った。
 ベトナムでの生活は、想像通り日本のものとは大きく違った。まず、店で使う食器は、ベトナム人でさえそのまま使うことはない。ほこりが付いているかもしれないので、きちんと紙で拭いてから使わなければならない。トイレに行く際も、トイレットペーパーがあるとは限らないので、必ずティッシュペーパーを持っていかなければならない。そしてその拭いた紙は、トイレに流すとトイレを詰まらせてしまう。だから、専用のごみ箱に捨てる。このように、面倒くさいこともたくさんあったが、自分の常識を覆す経験ができたことはよかった。
 また、私はベトナム語も少し勉強したのですが、そこで気が付いたことがあった。ベトナム語の一人称、二人称は、年齢や性別、相手と自分の関係などによって非常に多くあるのだ。私は、それがとても難しく感じたが、ベトナム人はそれがあるから相手がどのような人なのか一瞬で分かるので便利だと言っていた。この言葉を聞いて、ベトナム人の考え方の性質について考えたことがある。多分、何事にもフランクにも見えるベトナム人は、実は相手と自分の立場の違いを強く意識し、自分より上の人を敬う心を忘れていないのだと思う。こう思うのは、ある日の移動中の出来事も関係している。バスの中で私が座っているとき、50代くらいのおばあちゃんが乗ってきた。私は、そのことには気が付いていたが、比較的健康そうな方であったこともあり、立っているおばあちゃんをあまり気に留めていなかった。しかしすぐに、私の友達のベトナム人が真面目な顔つきで私に席を譲るように促した。私は、そのまじめな様子に驚いたと同時に、高齢者を敬うベトナムの文化を実感した。このような経験のように、言語と文化はつながっているのだと思う。

今回の経験による今後の展望
 この学生大使の経験により、私の世界観は広がり、人としての教養も増えたと思う。私は、将来職業につく前に、このような経験を積みたいと前々から思っていた。今回の経験は、まだ小さな一歩かもしれない。でもこの経験が大きな自信につながったことは間違いない。これから、もっと色々な世界に行き、たくさんのことを習得して、成長していきたい。

ベトナムの伝統衣装アオザイの画像
ベトナムの伝統衣装アオザイ

東南アジア最大級の仏教寺にての画像
東南アジア最大級の仏教寺にて

Trang anの洞窟にての画像
Trang anの洞窟にて