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藤田花奈子 地域教育文化学部 文化創生コース 1年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学 派遣期間:平成31年3月4日~3月18日 

日本語教室での活動内容
  日本語教室は1週間のうち平日の5日間、1日3回行った。会話クラスと読み書きクラスの2つに分け、学生が伸ばしたいスキルに合わせて選べるようになっていた。
 まず会話クラスでは、席を丸くし皆が話している人に注目できるようにした。日本のじゃんけんを取り入れ、勝った人が皆に質問をする。一人一人が質問に答え、日本語が相手に伝わる楽しさを共有できる環境を作った。ベトナムにもじゃんけんに似たものはあるようで、一緒に掛け声を言ってあげるとすぐにできて楽しそうにしていた。質問の内容としては、日本に行きたいか、行くとしたらどうして行きたいか、たくさんある言語の中でなぜ日本語を学ぶのか、といったものを扱った。日本に行きたいと言う人が多く、理由として日本で働きたい気持ちが大きく関係していると分かり驚いた。また、会話クラスでは日本のカルタを扱った。最初に読まれた平仮名を必死に見つけようとする学生の姿はとても健気だった。日本人の私が先に札を見つけても彼らに札を取ってほしいと思うくらい、応援したくなる姿勢だった。そして、会話クラスで扱う機会が多かったのはベトナム版のUNOである。私は日本で使うものが世界共通だと思っていたため、ベトナムで初めて見るカードに驚いた。日本版とルールも少し違い、新鮮でとても面白く感じた。学生の中には、ベトナム版のUNOをやったことがない学生も意外と多くいた。私はできるだけ理解しやすい日本語でゆっくりとルールを説明した。よく伝わらない部分を日本語が良くできる学生がベトナム語に翻訳してくれたことは大変助かった。
  次に読み書きクラスでは、平仮名やカタカナといった基礎的な内容から、よく使う表現など発展的な内容まで扱った。基本的にホワイトボードを使って書き順を確認した後、しっかりと発音できるまで一緒に練習した。その際、教えた文字が使われている単語もセットで教えることで、できるだけ早い定着を促した。平仮名やカタカナを一通り教えた後は、伝言ゲームやクイズをして理解度を楽しく確認できるようにした。私がベトナムで日本語を教えるにあたり驚いたのは、英語よりも日本語を得意とする学生が多いということだ。そのため、彼らが知らない日本語を教える時は日本語をベトナム語に翻訳するアプリを使ったり、日本語が得意な学生にベトナム語を使って説明してもらうなどの対応をした。私がベトナム語で単語を話すと、彼らが喜んでくれたことが印象に残っている。はじめはお互いに言葉の壁を感じていたが、このようにして楽しい雰囲気を作ることができてよかったと思う。

 日本語教室以外での交流活動
 私は15日間、大学のそばのゲストハウスに滞在した。私よりも早くベトナムに到着した山形大学の学生大使の人が多かったため、最初はなじめるかどうか不安だった。しかし、一緒の時間を過ごすうちに、学年を問わず仲良くなることができた。また、現地の学生達は出会ってすぐに私の名前を覚え、いつも笑顔で話しかけてくれた。授業以外の時間は大学の周りのカフェや地元の飲食店に連れて行ったり、お土産選びに付き合ってくれた。私は日にちを重ねるごとに彼らのことが大好きになった。
 ベトナム料理は日本人の口に合い、食べやすかった。朝ごはんはほぼ毎日バインミーという美味しいパンを食べた。ゲストハウスの前にあるバインミー屋さんは私たち学生大使の行きつけになり、皆で楽しい朝を迎えた。大学の周りにはたくさんのローカルなお店があり、値段が安いうえに美味しいため毎回の食事が楽しみだった。日本で食べられているベトナム料理の一つとしてフォーが挙げられるが、実際に食べる機会が多かったのはブンという米粉でできた麺だった。ブンを使った料理で私が特に気に入ったのがブンボーフエである。牛と豚の肉や豚足、豚の血が贅沢に入っており、汁にコクがあってとても美味しかった。また、私がベトナムで食事をする中で気づいたことが3つある。一つ目は、ほとんどの料理にパクチーが使われていることだ。私はパクチーを食べれば食べるほど好きになったが、学生大使の人の中には苦手な人も多い印象だった。二つ目は、食卓に必ずチリソースが置いてあることだ。どの料理にも合うため最終的に私もチリソースが手放せなくなった。三つ目は、お店で箸などを使う前は紙で拭くことである。ベトナム人に理由を聞くと、ほこりが付いている可能性があるため最初に拭きとる必要があるからだそうだ。
 私はベトナムで二回の週末を過ごした。そのうち、二回現地のイオンモールに連れて行ってもらった。建物の大きさや雰囲気は日本のイオンモールとほとんど同じであり、一瞬日本に帰ったかのように思えた。また、ハノイセンターやホーチミン博物館、昔の刑務所にも行った。ハノイセンターで飲んだタマゴコーヒーは甘くて本当に美味しかった。ホーチミン博物館は、高校の世界史で習った内容で溢れていてとても興味深かった。今回ホーチミン廟に安置されているホーチミンのご遺体を見ることができなかったので、次ベトナムに訪れたときはぜひ見たいと思う。

参加目標への達成度と努力した内容
 私は今回、現地の学生とのコミュニケーションを大切すること、そして日本語が分かる楽しさと日本文化の魅力を少しでも多く感じてもらう、という目標で臨んだ。そのためにまずは相手がどんな人か知ることが大事だと思い、色々な質問をしながら相手の雰囲気を掴んでより授業が楽しくなるように工夫した。カルタや折り紙を通して日本文化を発信しながら現地の学生と楽しい時間を共有できたと思う。

 プログラムに参加した感想及び今回の経験による今後の展望
 普通の旅行ではなかなか築くことができない現地の学生との深い絆ができたことが、何よりもこのプログラムに参加してよかったと思う点である。その絆が出来上がるまでには、お互いをよく知ろうとする気持ちや日本やベトナムの文化理解が必要だったと思う。今後も相手やその人の国の文化を理解することを大切にするとともに、日本の文化をさらに多くの人々に知って体験してもらえるよう、自らが発信していきたい。また、今回私がベトナムに行ってベトナム語を学びたいと思ったように、自分の可能性を広げるための好奇心を大事にしていきたい。

大学にてアオザイを着て記念写真の画像
大学にてアオザイを着て記念写真

笑顔が素敵な学生たちとの画像
笑顔が素敵な学生たちと

バッチャンにて皆で器づくりの画像
バッチャンにて皆で器づくり