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石川実優 人文社会科学部 総合法律コース 2年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2月26日~3月11日(14日間)

<日本語教室での活動内容>
 平日に1日3回、90分ずつ初心者クラスと会話クラスの2つに分けて行いました。初心者クラスではひらがなやカタカナの読み書きを中心に行いました。英語が通じない人も多かったため、ジェスチャーや絵で伝えたり、チューターさんにベトナム語で通訳してもらったりしながら進めました。また、ある程度読み書きができる人にはあいさつや天気、動詞などを教えました。日にちの1日から10日や20日の読み方が普通の数字の読み方と違うことが難しいと言っている人がいて、日本語の複雑さを感じました。
 会話クラスでは自己紹介やベトナムと日本の文化、ベトナムの昔話など多くのテーマを日本語で会話をしました。私がベトナムに行って間もない頃は成り行きで会話するというやり方で、何か具体的に勉強をした方が良いのではないかと思うことがありました。しかし、ある日の授業で大学に日本語の授業はなく、日本語を学ぶ人は日本語センターに通っていて、その先生はベトナム人のため読み書きができても会話力をつけることができないと言っている人がいました。それからは、私たち日本人がいるからこそできる会話クラスの重要性を感じるようになりました。また、ほとんどの人が日本語能力試験の勉強をしていて、テキストの内容を質問されることもありました。3級では「〜ようだ」と「〜みたいだ」と「〜らしい」の違いや、「〜間」と「〜間に」の違いなど絶妙な問題が多く、難易度の高さに驚きました。他にも「しておいて」を「しといて」と言うなどの省略形に悩んでいる人もいました。日本で生まれ育った私は今までそのようなことを考えたこともなく、説明することがとても難しかったです。その中でも間違ったことは教えないように気を付け、学生大使の仲間に相談したり、インターネット等で調べたりしました。

<日本語教室以外での交流活動>
 チューターさんが毎日、食事やカフェに連れて行ってくれました。フォーやブン、バインミー、ソイなど多くのベトナム料理を食べました。私たち日本人が多く大変な中、一番美味しいお店に行くね、と場所を手配してくれました。アヒルやカエルなど日本ではあまり馴染みのない料理も美味しく食べることができました。また、ベトナムにはオシャレなカフェが多く、みんなで話をしたりUNOをしたりしてゆったりとした時間を過ごしました。
 空き時間にはベトナムの伝統的スポーツであるダーカウを教えてもらいました。羽を蹴るのが難しく上手くできませんでしたが、丁寧に教えてくれたおかげでだんだんと少しだけできるようになり、楽しかったです。
 休日はバイディン寺や世界遺産であるチャンアン、バッチャン村、ハノイセンター、イオンモールなどに連れて行ってくれました。チャンアンのボートクルーズでは日本にはない自然の美しさに圧倒させられました。高齢の船頭さんが手漕ぎで休む暇なく約1時間半漕いでくれて、申し訳なさをも感じました。ハノイセンターでは、ベトナムの民族衣装であるアオザイを着て写真撮影をしました。チューターさんが場所やポーズまで考えて一生懸命撮影してくれました。
 また、派遣期間中にチューターさんの誕生日があったため、みんなでお菓子をプレゼントし、カラオケに行ってお祝いしました。喜んでもらえて嬉しかったです。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 私の参加目標は、ベトナムの文化や現状、日本との関係を知ることでした。これは、現地の人と積極的に会話をし、様々な場所に足を運ぶことで達成できました。中でも一番の発見があったのは、日本に行くベトナム人が非常に多く、その一番の目的がお金を稼ぐためということです。私は今回、インドネシアに次いで2回目の学生大使でしたが、インドネシア人は日本の文化などに興味があって日本語を勉強している人が多い印象でした。しかし、ベトナム人の多くはその目的が大きく違うことがわかりました。なぜベトナム人は日本に行くのかと聞いてみると、日本の方が稼げて馴染みのある国だからと言っている人が多くいました。大学在学中に日本で働いた人や今後日本に行って働くという人ばかりで、日本に在日ベトナム人が増加している事実を肌で感じ、衝撃的でした。その一方で、大学に日本語の授業がないなどの環境が今後改善されていくと良いなと思いました。

<プログラムに参加した感想>
 今回は前回の経験を基に参加しましたが、新たな世界を知ることができて参加して本当に良かったと感じています。観光だけでなく、現地の生活を経験できることがこのプログラムの最大の魅力だと思います。お世話してくださったチューターさんや学生大使の仲間、サポートしてくださった国際交流室の皆様のおかげで毎日を健康で楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。

<今回の経験による今後の展望>
 自分の世界はまだまだ狭いと感じたため、今後も新たな世界を積極的に開いていきたいです。また、私も日本語を学ぶベトナム人のように努力する姿勢を見習っていきたいです。そして、近年話題になっている在日外国人の労働状況について、専門的に勉強して考えていきたいと思います。

 

アオザイを着て記念写真の画像
アオザイを着て記念写真

チャンアンのボートクルーズの画像
チャンアンのボートクルーズ

チャンさんのバースデーパーティーの画像
チャンさんのバースデーパーティー