ホーム > 国際交流・留学 > 学生大使派遣プログラムについて > H30延辺大学 > 島内未来

島内未来 人文社会科学部 人文社会科学科 1年

派遣大学:延辺大学
派遣期間:2週間(3/1~14)

 ・日本語教室での活動内容
 派遣先大学の日本語学部訪問の私たち派遣学生の授業参加パターンは3つに分かれていた。一つ目は授業の見学だ。大学から日本語を専攻した初級のクラスをはじめ、中学から日本語を学んできた上級のクラスまでさまざまなレベルの学生の授業を見させてもらった。授業内容はそれぞれどう異なるのか、先生方はどのように生徒に教えるのかと自分の大学での視点と逆の視点で考えさせられるものだった。二つ目は授業での学生とのコミュニケーション活動だ。先生に与えられた自由時間を使い、自己紹介から日本と中国の異なる点や私生活の話までを生徒と交流しながら話をした。ある上級クラスの授業では日本と中国との就職観と晩婚化の話をテーマとして2つの国の共通点や相違点を出し合った。三つ目は自分たちで授業をするというものだ。延辺大学の本キャンパスではなく、もう一つのキャンパスにて90分の授業を二人で行った。私たちは日本の折り紙を紹介し、実際にみんなで折る授業をした。最初に「やっこさん」、次に「つる」の折り方を教えた。折り方の紙を配布し、クラスの前で折り方をそれぞれ説明した。一つ一つの工程の中で、クラスを回ってできていない生徒には折り方を丁寧に教え、すでにできた生徒には「上手だね」などと褒めるようにした。早く完成した生徒には暇を持て余さないようにと、『折り紙先生』と名付け、日本語をできる限り使って生徒に教える手助けをしてもらった。

 ・日本語教室以外での交流活動
    2週間の中で授業でのグループ活動で仲良くなった多くの学生たちから授業後のご飯のお誘いをもらい、大学食堂をはじめ、中国の名物料理の羊の串焼きや火鍋などを一緒に食べた。延辺では中国と韓国の2つの言語と文化が混じる地域で中国の食べ物の他にも韓国の料理も堪能出来た。また、大学内を案内してもらった。延辺大学は山形大学の4分の1の規模の大きさで、食堂も運動場も3つあるため非常に大きいと感じたが、中国ではこれが普通の大きさだそうだ。大学内にある学生寮も見せてもらった。日本とは違い、延辺ではほとんどすべての学生が寮に住んでいた。最大で1部屋8人で生活していて、とても大変だと話してくれた。しかし、日本人は一人暮らしが多いが、自炊や家事と大学生活の両立をしなければならないと話したところ、より大変だと感じる中国人が多くいた。

 ・参加目標への達成度と努力した内容
    異文化交流を通して、日本と中国との共通点や相違点をそれぞれ見つけることができ、現地での言語の学びを深めることができたため、参加目標は達成出来たといえる。私はスーパーに行くにしても、ご飯を食べるにしても気づいたことはすべて逐一メモすることを忘れなかった。また、中国語を習っていなかったが、現地で「おいしい」を何と言うのかなどと中国語専攻の友達やチューターに聞いてその場で使うようにしていた。少しでも現地の言葉で会話するだけでも周りの人との関係がより深くなるように感じたからだ。私は韓国語を学んでいたので、中国内の朝鮮族には同じような方法で聞き、少しの文や短い会話は韓国語で話し、書くように意識した。

      ・プログラムに参加した感想
     今回中国を選んだ理由は、普通に考えると私は旅行先に選ばないだろうと考えたからである。旅行先に選ばないと思ったのは、あまりにも中国に対するイメージがよくなかったからである。第一に反日の国だという印象があった。教育で反日感情を抱かせるように指導していると聞いていたものだから、日本人というだけで受け入れてくれるだろうかと思っていたからである。しかし、実際に現地に行ってみるとそのような人はいなかった。ましてや日本が大好きだと言ってくれた。日本に留学した経験のある人とこのような話をしたら、日本でバイトをしたときに店長が中国人だという理由でこき使われたという。国民全員がそうだとは限らないが一部の人はそういう態度を示す人もいるということだ。日本のものを何か持っていこうと考え、私は即席味噌汁を持って行き、仲良くなった子たちにあげた。すると、飛び跳ねながら喜んでくれて非常にうれしかった。同時に、もっとほかの日本の製品をもってくればよかったと後悔した。この子たちとはご飯を食べに行き、日本語でひたすら話した。分からない単語をスマートフォンでその場で調べたり、中国人どうしで何というのだろうかと考えたりして、一生懸命私に話してくれる姿勢は感心した。日本のアニメやドラマを話題のネタにして、好きな俳優は誰だと言い合ったりするのも楽しかった。互いに日本か韓国(朝鮮族のため)で再び会おうと約束した。

  ・今回の経験による今後の展望
     中国に行ったことで今までのイメージは事実ではなく偏見であったのだということを家族や友達など身の回りにまず話していきたい。また、言語が伝わらないという初めての経験も言語が伝わらなくても言語以外の身振り手振りなどで伝わるという共通認識の安心感とを今回実感した。言語が伝わらないと相手が顔を困らせるときにもどかしさを感じる上に、何を言っているのかがわからないと相手を本当に信用していいのかと不安に思う時があった。そのため、私は言語を専攻とするコースではないが、個人的に韓国語の学習をしていきたいと考えている。延辺大学の授業において知ったことだが、韓国語の音節は3192個もあり、非常に多い。実際に朝鮮族の友達でさえ、パッチムという記号の発音がたまにわからなくなるときもあるくらいだ。しかし、私は韓国語の発音が独特で興味深いと思うし、日本語に似た単語も多く比較するのが面白いと感じている。学習を進め、仲良くなった中国の朝鮮族の友達と韓国語と日本語とで会話出来るようになるという目標のもと、勉強していきたいと思う。