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東那留美 地域教育文化学部 異文化交流コース 4年

派遣期間:平成30年9月13日~平成30年9月25日

 ・日本語教室での活動内容
 今回,派遣された期間が現地の大学での新学期ということもあり,初めの一週間は授業らしい授業への参加というより,授業のオリエンテーションに加えて私たち学生大使の自己紹介が多かったように思えた。留学など未経験の生徒たちに対する自己紹介では,分かりやすく聞き取りやすいようにと心掛け,留学経験などがあり日本語も流暢に話せる生徒に対しては,自分自身が日本で自然に話すようにと工夫をした。二週目では,現地の学生とテーマを決めて,日本と中国の文化の違いや共通する点について討論したり,先生に時間を頂いてグループごとに情報交換をしたりした。この時間では,日本語や日本の文化を教えるだけでなく,こちら側にも新しい発見や学ぶことがたくさんありとても面白かった。また,現地で働く日本語教師の先生が受け持っている授業の2コマ分を頂き,実際に私たち山形大学の学生たちだけで90分ほどの授業を行った。スケジュールがあまり知らされていなかったということもあり,準備する時間が少なく前日に急いで準備したもので,実際に授業がスムーズに行えるか,授業を受けてくれる生徒たちに対して面白いものになるかとても不安だったが,当日は皆で協力をして,現地の生徒たちにも手伝ってもらいながら,達成感のある授業が行えた。何とか授業を最後まで行うことが出来,生徒たちの反応も全体的には良かったが,生徒たちの日本語のレベルはバラバラで皆に満足してもらったかと言えばそうではなかったと思うので,もう少し工夫したものが出来れば良かったなと反省する点もあった。授業では日本語がほとんど分からない学生も多くいて,英語を少し使いながらコミュニケーションを取っていたが,それでは授業を進めるのが難しかった。私自身,中国語を学んでいたこともあり他の学生大使の学生に比べれば生徒たちと意思疎通出来るという部分も多かったが,それをあまり活かしきれなかったと感じる。

・日本語教室以外での交流活動
 チューターの現地の学生さんにはとてもお世話になり,毎回ご飯に連れて行ってくれたり,観光に連れて行ってくれたりした。チューターの学生さん以外にも授業でなかよくなった子にショッピングやカラオケなどに誘われ,現地の学生たちが普段どのように過ごして友だちと楽しんでいるのかを実感出来て面白かった。現地の日本語を学んでいる学生さんたちは積極的に私たちに興味を示してくれて話しかけてくれてとても親しみやすく楽しかった。観光では,北朝鮮と中国の国境線を見に行ったり,朝鮮民族の衣装を着て村を回ったり,また犬肉を食べに連れて行ってくれたりと文化や歴史を感じる体験にたくさん連れ出してくれて,普段過ごしているだけでは経験できないことを経験させてくれた。自分たちの時間を私たちのために割いてくれたり,おもてなしの心がとてもあったり,想像していた中国とは全く違った温かみに触れ,とても感動し,忘れられない交流が出来たと言える。

・参加目標への達成度と努力した内容
 今回,私は中国で日本人としての自分がどのように役に立てるのかを一番の目標と意識して過ごした。現地の学生さんたちと同じように言語を学んでいるものとして,また中国語を学んでいるものとして,気持ちが分かる部分もあるので,学生さんたちの気持ちを汲み取り日本語と中国語を使い生徒さんたちに日本語を上手に教えることが出来るのが目標であった。その目標のため,自分なりに伝えようと日本語と中国語を使用して授業を行ったが,上手く伝わらない部分も多くあって,自分自身の目標としてはあまり満足いかない結果であったと感じる。しかし,そんなときに今回同じ学生大使として参加した仲間や現地の学生さんらが手伝ってくれたこともあり,今後まだまだ努力したいというような気持ちになった。また,台湾に留学していたこともあり,台湾と中国大陸ではどのように文化や人が違うのか実際に感じてみたいと思い,それを達成するためなるべく現地の学生さんたちと交流することを意識した。台湾にいたころは中国大陸に対して良いイメージを聞かなかったが,現地の学生さんたちと関わってみると台湾で仲良くしていた子たちと変わらず,とても優しく親切で現地に来てみないとわからないことがあるのだと気づいた。

・プログラムに参加した感想
 今回,四年生として参加したのが私だけで,初めは不安でいたが,一緒に参加した仲間に支えられ,現地の学生さんたちの温かさで,とても実りのある二週間を過ごせたと思う。二週間ほとんど一緒に時間を過ごした学生大使の仲間には迷惑をかけたり心配をかけたりした部分もあったが,違う学年,違う学部ということで刺激し合える部分も多くあり,この出会いもこのプログラムに参加して得たものの一つだと言える。また,先ほどの内容と重複するところもあるが,中国語を学ぶものとして中国へ行ってみたいという気持ちはあったのだが,マイナスなイメージがあり行くのをためらっていた中国大陸に今回初めて出向き,私が抱いていた中国のイメージと遠く離れた現実があって,とても新鮮で面白さがあった。今までメディアや噂で流されていた自分に気づき,現地に出向いて実際現地の人と交流したり文化を体験したりすることの大切さを感じることが出来た。

・今回の経験による今後の展望
 今回,一番に学んだのは実際に自分の目で見て経験することがどれほど大切かということであった。メディアが言うように,日本と比べるとまだまだ発展途上のような部分も見えたが,それ以上に良いところがあって,むしろ日本人も見習うべき部分もあって,それをイメージだけでマイナスに感じている人たちに伝えたいと思った。もっと中国を知りたいと思ったし,それを今後伝えられるように発信していきたい。また,世界で日本人としてどう役に立てるのかも形が見えてきたので,自分の能力も挙げて,機会があれば他の場所に出向いてまた誰かの力になれるような人になりたいと強く思った。
 最後に,今回このような制度を企画して下さった山形大学,延辺大学の先生方,一緒にこのプログラムに参加し切磋琢磨し合った学生大使の仲間,それを支援してくれた親に感謝したいです。