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池田鈴香 人文社会科学部 人間文化コース 2年

派遣期間:平成30年9月10日~9月21日

①日本語教室での活動内容
 日本語教室では、日本語学科の授業を見学する場合と、スピーチなどをして授業のアシスタントをする場合、全部自分たちで考えて運営する場合と三パターンあった。見学では、自分たちが普段当たり前のように話している「日本語」が母語ではない外国人たちが、どのように学び身に着けていっているのかということを目の当たりにできて興味深いと感じた。授業のアシスタントとしては、日本人の就職観や恋愛観、日本人への質問に対してパワーポイントを使って発表したり、短いスピーチを中国人の学生の前で発表したりした。日本のことに対して関心を持っている学生が多いと感じた。中国の学生からも、中国の大学生活のこと、中国の人の日本や日本人に対するイメージなどを発表してもらった。日本と同じ部分もあれば違っているところもあり、やはり言葉が違えば文化が違うのだなと感じた。全部自分たちで考えて授業を運営した時には、大変ではあったが、楽しかったし勉強になった。日本語を学び始めてすぐの1年生のクラスで授業の運営をしたときは、日本語での授業が難しそうであったので、中国語がある程度話せるほかの山大生に通訳をしてもらったり、スライドを中国語でも表記したりするなどの工夫をしながら授業を行った。

②日本語教室以外での交流活動
 毎日昼と夜にチューターの人や、授業で仲良くなった日本語学科の学生、延辺大学に留学している日本人の学生たちなどにいろんなところにご飯に連れて行ってもらった。延辺は事前に朝鮮族が多いところであり、料理や文化などいたるところに朝鮮の影響が色濃く表れていると聞いていたが、実際にいってみてそれを肌で感じることができた。料理に関してはキムチ、火鍋などの朝鮮の辛い料理が多いと感じた。私は辛い料理が苦手であったので、行く前は食べるものがあるかどうか正直不安だったが、辛くないおいしい料理もたくさんあって安心した。餃子、スンデ(腸詰)、ジャージャー麺、チヂミ、小籠包、シューマイ、牛麺、などなど現地の料理をたくさん経験できた。日本ではまずお目にかからないだろう犬肉も食べることができた。少し獣臭かったがおいしくいただいた。
 授業のない土日には、様々なところに連れて行ってもらった。北朝鮮と中国の国境付近に行ったが、川を挟んだ向かい側が北朝鮮だと教えてもらった。双眼鏡で見たら、羊飼いの男性が坂道を歩いているのが見えた。朝鮮族の民族の暮らしを体験できる、日本で言う江戸村のようなところにも言った。わたしは着なかったが、チマチョゴリを着たり朝鮮民族の踊りや歌を演奏してもらったりきな粉餅のようなものをごちそうしてもらったりした。また、学校近くの朝市にも行った。様々な食材や食べ物が安い値段で売られていて、活気もあった。食用の犬が皮をむかれひっくり返ったそのままの形で売られているのはなかなか衝撃的だった。

③参加目標への達成度と努力した内容
 私の参加目標は、一つは現地の学生と積極的にコミュニケーションをとること、もう一つは現地の日本とは違う異文化を体験することだった。今回の学生大使では、両方ともおおむね達成できたのではないかと思う。私たち山大生を担当してくれたチューターの人たちや、日本語学科の授業で仲良くなった学生たちがみな日本人や日本の文化に関心を持っていて、私たちに快く接してくれたことももちろん大きいし、私自身も外国人である彼らに積極的に質問したりはなしかけることができたりしたのではないかと感じている。延辺大学の学生たちと話して感じたのは、たとえ生まれた国や文化が違っていたとしても、彼らは私たちと同じ、普通の同年代の若者で、例えば授業や勉強が面倒だったり、恋愛の話で盛り上がったり、くだらない話を友人同士で話し合ったり、日本人である私たちと何も変わらない普通の若者であるということだ。外国人だから分かり合えないとか、そんなことはないということを短い滞在ではあったが感じることができた。また、異文化を体験するという面でも、延辺は前述のとおり朝鮮族が多く朝鮮の文化も共存する特殊な環境でありそういった文化を料理など肌で感じることができた。日本にはない犬食文化があるということで、犬肉料理をたべる経験ができた。少々獣臭かったがおいしかった。

④ プログラムに参加した感想
 学生大使に参加して本当に良かったと思った。最初は、初めてひとりで海外に行くのに加え乗り継ぎもありすごく不安だった。しかし、日本語が通じない環境でなんとか英語を駆使して交渉したり話しかけたりするのは勉強になったし、度胸や勇気がついたと思う。また、中国に対して日本のメディアは否定的なイメージしか流さないので、実際に行ってみたいとずっと思っていた。今回、行って実際に中国を見たことで、メディアが流すような汚いとか遅れている国だとか、そんなイメージを払しょくすることができた。もちろん、トイレなどは日本の方が技術的には進んでいると感じたし、そういった意味では日本がいいなとは思った。でも、たとえばショッピングモールは日本とそう大差がないと感じた。「中国は遅れている、汚い国だ」というのは、ステレオタイプなイメージだと思った。

⑤今回の経験による今後の展望
 今回、一人で初めて海外にいき、自信がついたと思う。実際に行くことで、中国への先入観や固定観念も払しょくすることができた。今回中国に言って本当に良かったと感じている。大学在学中にもっといろんな国を訪れて、いろんな異文化やその国に住む人々と話したいと思った。学生大使では中国以外の国にも行くことができるため、ほかの国にも行ってみたい。

朝鮮族の集落にてみんなで写真撮影の画像
朝鮮族の集落にてみんなで写真撮影

犬肉の鍋料理の画像
犬肉の鍋料理

日本語学科での1年生への授業の画像
日本語学科での1年生への授業