ホーム > 国際交流・留学 > 学生大使派遣プログラムについて > H28ラトビア大学編 > 丁子カレン

丁子カレン 人文学部 法経政策学科 1年

派遣期間:平成29年2月23日~3月9日(14日間) 

日本語教室での活動内容 
 私が滞在した期間は比較的生徒の数が多かったため、初級・中級・上級でレベル分けをし、授業を行った。私は中級のクラスを担当したが、日本語に慣れさせるため前半は主にグループでのゲームやスピーキングを、後半は文法や作文なども取り入れた授業を行った。ゲームの内容は、黒板を使った日本語での連想ゲームや、主語や述語、修飾語などが書いてあるカードを渡し、正しい文章を作ってもらうというものだ。生徒にはグループ内や周りの人たちと話し合いながらゲームをしてもらった。また、私たちも積極的に質問を受け付けながら授業を進めることができたので、グループメンバーは前半でかなり打ち解けることができたと思う。その後取り入れた作文では、ラトビアに関してや自分の趣味について などのお題を与え、2.3個の文章を書いてもらった。その後、私が個人個人の文章をチェッ クし修正をしてもらい、最後に発表をしてもらった。外国の方にとってやはり助詞(~は、 ~が、~を)の使い分けが難しいようで、多くのミスが見られた。後半には文法に関する授 業も行うことができた。最初に教えたのは使用頻度が高く、比較的理解しやすい可能動詞(~ れる、~られる)の作り方だ。可能動詞に限らず、動詞・助動詞を学べば作れる文章のバリ エーションも増えてくると思う。それらを学ぶことで生徒達は単調な文章だけではなく、もっと複雑な文章へレベルアップすることが出来ると思った。また、全員が漢字に対して強く興味を持っていた。漢字の成り立ちを説明したり、名前を漢字で書いてあげるのもとても喜ばれた。中級の中でもレベル・理解度がばらばらだったので、授業を進めていくのがとても難しかったが、みんなの意欲的に学ぶ姿を見てとてもやりがいのある授業だと感 じた。

日本語教室以外での交流活動
 
日本語教室が行われている学部棟が旧市街の近くだったこともあり、授業の後にはほ とんど毎日、授業に参加しているラトビアの方たちと夕ご飯を食べに行った。ラトビア の伝統料理はもちろん、日本料理を出す店にも頻繁に行くことができた。日本人とラト ビア人の共通語である英語を使っての会話はとても難しく、自分の言いたいことをうま く表現出来ないことが沢山あった。しかしすぐには諦めずに、粘り強く一生懸命考えて 話すことが出来たので英語力の向上にも繋がったと思う。

参加目標への達成度と努力した内容
 私の参加目標のひとつは、日本から遠く離れた異国であるラトビアの文化を深く理解 し、日本を客観的に見つめ直すことであった。ラトビアはとても綺麗な街並みで、お洒 落な店も多く料理もおいしかった。しかしその反面、外壁に落書きが多かったりたばこ のポイ捨てが目立ったり、浄水機能が発達してないなどの面があった。今回のプログラ ムに参加し、ラトビアの良いところをたくさん知ったのと同時に、日本の良いところに もたくさん気づかされた。ラトビアの生活に馴染むため積極的に現地の方と交流をし、 様々なところに行くよう努力したので、目標を十分に達成できたのだと思う。ラトビア の方は授業での発表の際にすごく声が小さくなるなど、日本人よりもシャイなのではと 思う場面があった。また、時間にルーズなイメージがあったが、生徒達は授業に早めに 来るし、バスも時間通りに来るので、むしろ時間には厳しい国なのだと、意外に思った。 このように、やはり実際に現地に行って、現地での生活を送ってみなければ気づけない ことが沢山あるのだと実感した。

プログラムに参加した感想
 プログラムには興味あるけど…海外に出たこともなく、もちろん日本語を誰かに教え たこともない私が外国人相手に授業なんて!英語を使って日本語を教えるなんて無 理!最初はそう思っていた。しかし、これを逃したら観光以外で外国に滞在することや、 外国の方と深く関わり合う機会はないのではないかと思い参加を決意したが、とても貴 重な経験になったと思う。私たちが滞在した寮には様々な地域から来た学生がいたので、 ラトビアの方以外とも交流をすることができた。このプログラムに参加したことで、家 族の元を離れた海外での生活や、たくさんの外国の方との深い関わりなど、ただ日本で 暮らしていてはできない経験をすることができた。特にラトビアの首都であるリガは非 常にきれいな街で、ただ歩くだけでも楽しい場所だったので、これからプログラムに参 加したいと考えている方にはぜひおすすめしたい。

今回の経験による今後の展望
 日本語教室に参加していたラトビア大学の学生は非常に勤勉で、日本語だけでなく中 国語や韓国語、ロシア語などにも興味を持ち勉強している学生が多かった。また、学生 だけではなく、仕事でラトビアに来たついでに参加している方など、一般の方・大人の 方も多数いた。自分の分野・専攻・歳に関わらず興味があるものを積極的に学んでいこ うとする姿勢にとても刺激を受けた。私も、学生として勉強できるときに、勉強したい ことに一生懸命取り組んでいこうと思った。また、寮での生活の中で英語の重要さを思 い知った。出会ったほとんどすべての学生が共通語である英語を使ってコミュニケーションを取る。様々な国籍の方がいるため、英語を使えなければ会話をすることが困難な のだ。逆に、英語を使いこなせれば様々な国籍の方とコミュニケーションを取ることが 可能になる、そう強く認識した。日本にただ住んでいただけの私だったら味わえなかっ た感覚だ。 初海外だったこともあり、何もかもが不安で仕方なかったが、二週間の様々な経験を 経て、自分に自信を持つことができたと思う。ラトビア大学の学生の姿勢を見て、まだ まだたくさん学べることはある、できることがある、私にはこの先色々な道があるのだ と感じたのだ。視野が広がるとはまさにこのことだと思った。